中国が世界2位の観光輸出国になり、「銀聯」は中国人が海外旅行で最も頻繁に使用する決済ツールとなった。中国銀聯の国際業務子会社「銀聯国際」が発表した最新データによると、銀聯の域外事業ネットワークは150の国と地域に拡張されている。世界の2600万店、180万台のATMで銀聯カードが使用可能だ。銀聯は世界最大規模のカード利用者を持つ、決済規模が世界2位の国際カード組織となった。銀聯カードの2014年の世界決済総額は、前年比27.3%増の41兆1000億元に達した。
銀聯カードの「世界消費地図」が急速に拡張しているのは、中国人客の海外旅行の人気と、旺盛な購買力によるものだ。日本メディアの報道によると、銀聯カードの今年2月の日本における消費額は600億円を超え、前年同期比3.5倍となった。1回当たりの決済額は、平均で3万6000円に達した。
銀聯国際はこれにより、海外市場のシェアを高め続けている。韓国貸付金融協会が発表した最新の報告書「2014年第3四半期 海外クレジットカード使用状況の分析」によると、外国人が使用するカードの種類のうち、銀聯カードの消費額が韓国市場で占める比率が急速に高まっている。この比率は2011年第3四半期の17.4%から、2014年第3四半期の59.9%に上昇しており、ビザカードとマスターカードを上回っている。
春節(旧正月)期間中に日本を旅行した中国人の夫妻は、大型百貨店や家電量販店で銀聯カードが使用できるほか、セブン-イレブン、飲食店、土産物店でも使えることに気づいた。ビックカメラなどの家電量販店では、銀聯カードを使用すれば5%割引になる。
ユーロ、円、豪ドルなどの相場がこのほど大幅に下落しており、中国人の海外旅行の意欲が高まっている。春節期間中、銀聯カードの海外における決済件数が前年比で約50%増となり、決済額の伸び率を大幅に上回った。これは利用者が銀聯カードでより頻繁に消費するようになったことを意味する。
銀聯カードの海外ネットワークが構築されるに伴い、多くの観光客が気軽に旅行を楽しめるようになった。上海市のOLは近年、欧州、韓国、スリランカなどの観光名所を訪れた。空港で小銭を両替するほか、ほぼどこに行っても一枚の銀聯カードで問題なかったという。韓国、シンガポール、オーストラリアでは、タクシー乗車にも銀聯カードが使用できたそうだ。
「チャイナネット」 2015年3月17日