2014年、中国人の美人コーチと14歳の可愛いらしい卓球選手のコンビが、日本で一躍脚光を浴びた。このコンビは、元中国河北省チームの選手だった劉潔コーチと日本JOCエリートアカデミー所属の平野美宇選手だ。2人は2013年4月に出会い、この2年間、コーチと選手としてタッグを組んできた。劉潔選手は厳しいコーチであると同時に、平野美宇選手の生活のすべてに注意を払う「若い母親」でもある。平野選手は周囲の期待に背くことなく、2014年のドイツオープン、スペインオープン、ワールドツアー・グランドファイナルの女子卓球ダブルスで優勝を飾った。また、2014年のロシアオープンの21歳以下女子シングルスでは優勝を果たした。
■出会い
2000年に山梨県で生まれた平野美羽宇選手は、3歳の時に母親に連れられて体育館で卓球を始めた。小学校1年生の時、日本の小学校2年生以下の選手が参加する全日本選手権大会・バンビの部で優勝。試合後に受けたインタビューで、「オリンピックに出たい」と抱負を語った。
平野選手は、2013年4月にJOCエリートアカデミーに選ばれた。当時JOCエリートアカデミーで指導をしていた劉潔氏は日本に滞在してすでに8年が経っていて、日本語が流暢だった。このため、JOCエリートアカデミーは劉潔氏を平野美宇選手の指導に当たらせようと考えた。劉潔氏は、「以前からこの少女のことを知っていて、印象も悪くなかった。しかし、当時平野選手は日本ナショナルチームの育成対象の選手で、平野選手に対する期待も非常に高かった。そんな平野選手を指導することは非常にプレッシャーの大きい仕事だった」と語る。劉潔氏は何度も考えた末、挑戦することを決意した。