中国卓球は後継者に欠けたことはない。実力派少女選手が次から次へと誕生するが、高枕で眠れるでは楽観すぎる。日本女子卓球の近年の新人育成への注力は、中国にまったくひけをとらない。加藤美優(15)、浜本由惟(15)、平野美宇(14)。3人の小さな実力派少女選手が6月、ITTF(国際卓球連盟)ワールドツアー・中国オープン(成都)に出場する。日本女子卓球は中国代表を打ちのめすタイムリミットまで設定した。2020年だ。東方網が伝えた。
3人の小さな実力派少女選手はいずれも、全日本ジュニアを代表する国内同年齢選手の最高峰。2012年11月、加藤美優が全日本選手権カデットの部(13歳以下女子)で優勝、平野美宇は年上の14歳以下女子で優勝、浜本由惟の成績も素晴らしかった。彼女達は日本卓球協会(JTTA)が重点育成する2020年東京五輪の主力メンバー。JTTAは3人の専任コーチをいずれも中国から招聘した。偉関晴光氏(元ソウル五輪男子卓球中国代表ダブルス金メダリスト・偉春光)が浜本由惟、元河北代表主力の張氏が加藤美優、同様に元河北代表の女性コーチが平野美宇を指導している。
3人はまだ中学校に通う女の子。半日勉強し、半日トレーニングしている。偉関晴光氏は、「2020年までに、つまり彼女達が大学生になった頃、年齢的にプレーヤーとして最も成熟する。そのとき中国と拮抗する日本選手は、おそらくこの3人」と認める。中国人コーチ独特のトレーニング手法、日本人選手の忍耐あるトレーニングの相乗効果は、すでに芽生え始めた。加藤美優の張コーチは愛弟子をこのように賞賛した。「一見気弱そうにみえる子だけど、コートでは気迫に満ちている。昨年の韓国オープンU-21(21歳以下)で初めてベスト8に進んだ。5月にはポーランドジュニア&カデットオープン(15歳以下)で優勝した」
日本卓球の「スター育成計画」はスタートして久しい。1950-60年代、日本卓球は一頃の全盛期を経た後、低迷期に入り、国内の関心度も下がり続けた。2001年、日本は世界トップレベルの大会を主催するようになった。JTTAも腹をくくり、後継の人材確保、年齢別育成に専念することから着手した。「スター育成」のため、日本卓球界は若手選手の「海外メッキ」プロジェクトを数多く始動させた。「希望の星」達は中国、あるいは欧州に派遣され、育成された。たとえば福原愛は幼い頃に故郷を離れ、中国に「留学」した。数年来、世界選手権のたびに日本メディアは「史上最年少選手」を大々的に報道、卓球はスポーツファンの関心を集めるようになった。福原愛の成功は日本女子卓球に大きな触発を与えた。もう一人の希望の星、石川佳純も苦労して中国語を学び、中国人コーチに師事、成績は安定して上昇している。
2012ロンドン五輪で、福原愛、石川佳純、平野早矢香の日本女子卓球団体は歴史的な銀メダルを獲得した。この大収穫によりJTTAは2020年をターゲットに定め、「2020年後継者育成計画」をスタートした。当時の日本女子卓球ヘッドコーチ・村上恭和氏は、「中国に勝利するためには、4年の歳月では足りない。我々には8年の計画が必要。2020年五輪までに、我々が中国に勝利する可能性はある」と語ったことがある。日本は2020年夏季五輪招致に成功した。スポーツ立国を強化し続けるなか、卓球は重点種目となり、日本女子卓球の前進のステップを後押ししている。
日本女子卓球が最後に中国を打倒できるか否か。いまだ疑問符はある。体制の違いから、日本選手のトレーニングは中国流の合宿は到底できない。たとえばロンドン五輪の日本女子卓球代表は、日頃は各自で練習を行い、試合直前に合宿した。日本は現在、若手選手の育成に重点を置いているが、これも学業との兼ね合いで、今後、すべてのパワーを卓球のトレーニングと大会に注ぐことができるか、未知数だ。しかし日本女子卓球のこの勇ましさは、敬服に値する。中国代表にも、競争力あるライバルが必要なのだ。(編集HT)
「人民網日本語版」2014年4月30日