土壌の重金属汚染は世界の主な環境汚染の一種だ。汚染物質は農作物を通じて人類の体内に入る可能性があり、食品の安全と人の健康を著しく脅かしている。合肥工業大学の曹樹青教授はこのほど、新型遺伝子工学技術により、植物の有毒物質・カドミウム吸収後の「隔離」という新たなメカニズムを発見した。これを利用すれば、土壌のカドミウム汚染を軽減できる。新華網が伝えた。
合肥工業大学生物・食品工学学院の曹教授が率いる研究チームは長期間の研究を経て、カドミウム・ストレスシグナルの伝達に反応する植物の分子調節メカニズムを初めて発見した。これにより、植物はカドミウムを吸収後に液胞に保存し、カドミウムに汚染された土壌でも成長することができる。
曹教授は、「カドミウムを吸収した植物に処理を施すことで、土壌に含まれる重金属の濃度を効果的に引き下げることが可能だ。研究チームはシロイヌナズナを使い実験を行い、改善の効果が多くの実例によって証明された」と説明した。
この革新的な成果は植物学の世界トップクラスの学術誌「New Phytologist」のウェブサイトに掲載された。曹教授の研究チームはさらにヒ素や鉛などその他の重金属の植物修復メカニズムの研究を進めており、実用化に向け取り組みを続ける予定だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年11月20日