中国国家林業局が29日に発表した情報によると、サイカス・デバオエンシス(ソテツの一種)の自然回帰プロジェクトが順調に完了した。サイカス・デバオエンシスは自然環境で健康に成長し、すべての生殖過程を終え、次の世代を育んだ。これは政府部門が主宰する、絶滅危惧種の希少植物の自然回帰プロジェクトが成功したことを意味する。人民網が伝えた。
植物の自然への回帰とは、場所を移し保護した人工繁殖体を、その生存に適した自然・半自然の生態システムに戻し、繁殖・拡大させることを指す。同プロジェクトは2008年に500株の苗を選び、モデル産地付近の広西チワン族自治区黄連山自然保護区に戻した。現在は順調に成長しており、85株(雌雄)が開花し、10数株が実を結んだ。当初の500株は、1000株以上の苗を育んだ。
中国国家林業局の専門家チームは、「同プロジェクトが、サイカス・デバオエンシスの保護遺伝学、生殖生物学、種の生態学などの研究により形成した回帰種は、自然環境の生活に適応し、次の世代の苗を自然に育み、目標を達成した」と評価した。
サイカス・デバオエンシスは現存する最古の種子植物で、3億年以上の歴史を持つ。数億年の地質・気候変動により、その圧倒的多数が絶滅しており、地球上に残されている少数が植物の貴重な「生きた化石」となっている。中国特有のサイカス・デバオエンシスは、絶滅危惧種で国家一級保護に指定されている野生植物で、主に広西チワン族自治区に分布している。発見後からわずか10年間で、サイカス・デバオエンシスのモデル産地の種が2000株余りから約600株に激減した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年5月30日