◆BAT、いずれも外資が大株主
BAT(百度・アリババ・テンセント)の3大手はケイマン諸島に登記されている。またBATの大株主リストを見ると、いずれも国際的な投資機構となっている。アリババの2大株主は、34.4%を保有するソフトバンク、22.6%を持つ米ヤフーだ。テンセントの筆頭株主は南アフリカのMIHグループで、33.93%の株を保有する。百度の最大の株主は英国のBaillie Giffordで、7.1%の株を保有する。
テンセントや百度もアリババと同じように、VIE構造のリスクに直面している。
格付機関のムーディーズは、「海外親会社の株主、経営許可証を持つ域内の実体VIEが、戦略を巡り意見を一致できなければ、域外投資家の利益がリスクに直面する可能性がある」と指摘した。また中国政府はVIE構造の合法性について立場を表明しておらず、将来的に監督管理の措置を講じる可能性もある。
しかしムーディーズの上級アナリストのLina Choi氏は、「テンセントと百度はVIE構造のリスクに直面しているが、両者の所有権構造、キャッシュフローの管理、長期的なVIE構造の記録を見ると、このリスクは制御可能な範囲内だ」と分析した。
◆中国IT企業の成果、外資の手中に?
中国のIT企業は誕生した時から、海外のベンチャーキャピタルや投資会社と密接なつながりを持っている。業界関係者は、「ベンチャーキャピタルが多く進出するほど、企業の経営者が株を多く失うことになり、企業の発展に対する管理能力が損なわれる。企業は一定規模を形成後、海外上場によりベンチャーキャピタルに見返りを与えようとしている」と語った。
アリババの時価総額を低く見積もって1500億ドルとすると、ソフトバンクの投資収益は440倍になる。テンセントの筆頭株主のMIHグループの収益に至っては、1925倍になる。外資系企業が百度から得る見返りも、驚異的な規模となっている。BATの上場後、最大の利益を受けているのは外資系企業のように見え、「中国IT企業の成果が外資に握られている」という説が浮上した。