中国国家スパコン天津センター副センター長の羅軍氏は28日、メディアの取材に応じた際に、「天河1号はすでに石油探査、バイオ医薬品、航空・宇宙事業、気象予報など100以上の分野で活用されている。世界のユーザーは500社を超えており、毎日1000件以上のプロジェクトが天河1号を利用している」と紹介した。中国新聞網が伝えた。
同センターに置かれている天河1号は、ピーク速度毎秒4700兆回浮動小数点演算、持続速度2566兆回浮動小数点演算という卓越した性能により、中国のスパコンとして初めて世界1位の座についた。天河1号の改良版「天河2号」は、このほど再び世界一に輝いた。中国のスパコン「天河」は4年間で4度も世界一になっており、世界の注目を集めている。
羅氏は、「中国のスパコン業界における台頭は偶然ではなく、その背景には、30年以上に渡る中国のスパコン研究の基礎がある。同技術は現在、活用に注目する必要がある」と指摘した。
羅氏によると、中国は1978年にスパコン「銀河−1」の研究を開始した。技術進歩により、銀河−1のピーク時の演算速度は毎秒1億回に達した。銀河−2の演算速度は1990年に毎秒10億回に、銀河−3の演算速度は1997年に毎秒100億回に達した。
羅氏は、「中国のスパコンが世界で頭角を現したのは、中国が独自に開発した技術によるものだ。ヘテロジニアス(異種混合)構造、自主開発CPUチップの飛騰、自主開発の高速ネットワーク通信という3つの技術により『中国モデル』を創造し、中国はスパコン技術の分野で発言権を持つようになった」と説明した。
天河1号は現在、石油探査、バイオ医薬品、航空・宇宙事業、気象予報、CGなど100以上の分野に活用されている。ユーザーには、米国、スペイン、シンガポールなどの世界各国の企業が含まれる。しかし、天河1号の応用研究開発部長の孟祥飛氏は、「これだけでは不十分だ」と述べた。
孟氏は、「中国のスパコン活用はプラットフォーム提供の段階に留まっており、ユーザーへのカスタマイズ、サービスの深化が不十分だ。スパコンの使用寿命は5−6年で、すでに『中年』となった天河1号の最も重要な課題は活用の拡大、十分な実践、経験の総括により、次世代スパコンの改良に基礎を提供することだ」と話した。
中国科学技術部(省)は近年、スパコン応用ソフトの開発費を拡大している。第12次五カ年計画(2011−2015年)以来の関連する開発費はすでに2億元(約32億8000万円)に達しており、第13次五カ年計画(2016−2020年)にはさらに拡大される予定だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月30日