動物は、多くの人間が行き交い、騒々しい場所では、本能的に恐れを感じやすく、職務能力が低下する恐れがある。公共交通警察犬業務大隊は、このような状況に対応するため、警察犬に対し、特殊な訓練を何度も何度も繰り返し実施する。 |
地下鉄駅構内を行き交う乗降客の流れの中でも、警察犬ならば、持込禁止のガソリンを所持している乗客を素早く検知することができる。北京警察は25日、北京地下鉄の保安体制を一段と強化し、「軌道交通警察犬の臭気選別訓練」を受けた警察犬12頭を地下鉄駅構内の安全検査に導入する方針を明らかにした。京華時報が報じた。
25日午後、北京警察公共交通総隊警察犬業務大隊基地では、警察犬が各種訓練を受けていた。地下鉄駅構内になぞらえた環境を作り、十数人の職員が乗客に扮して次々と駅構内に入ってくる。柵の向こう側には、1頭のシェパード犬が訓練士の傍らで座り、目の前を通りすぎる乗客役の職員たちに注目している。突然、警察犬は甲高い声で吠えながら、柵を越えて1人の乗客役めがけて突進しようとした。訓練士はすぐにこの乗客役を呼び止めた。乗客役が持っていたカバンの中から、少量のガソリンをしみこませたタオルが見つかった。
警察犬の仕事は、「怪しい人間に飛びかかって噛みつき、危険物を探し出す」ことだ。だが、多くの乗降客が複雑に行き交う大きな流れの中で、警察犬がすばやく疑わしい人物を捉え、ガソリンなどの危険物を見つけるというやり方は、今のところ世界中でも前例がない。また、オイル類の中でも特定種類の油を警察犬が選別することも、前代未聞だ。昨年末、公共交通総隊警察犬業務大隊に所属する警察犬に対する特別訓練がスタートした。現時点で、100頭あまりの警察犬のうち、この技術を習得したのは、シェパード犬10頭とラブラドール犬2頭だけだ。だが、今年の年末までには、この特殊業務を遂行するため、20頭の警察犬が北京の街にお目見えする見通し。これらの警察犬は、都心部の地下鉄駅、バスターミナル、APEC首脳会議などにおけるテロ対策・保安任務に携わる。
公共交通総隊警察犬業務大隊の担当者は、「今年末までに、十三陵に警察犬訓練基地を完成させる計画だ。警察犬の導入がますます多くなるに伴い、数年後には、全ての北京地下鉄で警察犬が勤務する光景がごく当たり前になるかもしれない」と述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月26日