中国第29次南極科学観測隊 一連の成果を総まとめ (2)
4.氷床観測で重要な発見
今回の科学観測で、科学観測チームは崑崙ステーション核心エリアおよび断面重要エリアで、アイスレーダーによる氷床観測を行い、世界で解像度が最大の3D深層氷床構造および地形に関するデータを獲得した。またアイスドームが底部で急速に「成長」する3Dレーダー画像の証拠を獲得し、アイスドームの安定性および界面の変化に新たな視野を提供した。
科学観測チームはまた、中国が独自に開発した深層レーダーシステムおよびFMCW浅層高解像度アイスレーダーなどの設備を用い、アイスドームの観測を実施した。中国は米国に続き、同技術を把握した世界で2番目の国となった。
5.南極海の断面調査を実施
南極大陸は広大な南極海に囲まれている。科学観測チームは今回、東経73度の断面で、物理海洋・地質・地球物理・化学・生物の総合調査を実施し、海水・海底面・浅層・中深層から海洋環境変化の歴史とすう勢を全面的に反映した。
観測結果によると、海洋最大の還流である南極環流の水温が上がっており、同時にその位置が高緯度に向けて移動しており、南極の氷と海水の相互作用が加速している。これらは、南極東部の氷河の消失に関する歴史、その世界気候変化との関係、生物および石油ガス資源の埋蔵量・分布状況の分析に、重要なデータを提供する。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年4月10日