米日の通貨大量発行は「通貨の津波」招く可能性あり (3)
通貨戦争のリスクだけでなく、米日の量的緩和は世界のインフレ傾向を助長する可能性がある。孫教授によると、米ドルは基軸通貨であり、石油や金などの大口商品は米ドル建てで価格が設定される。米ドルの価値が下がれば、これらの商品の価格がおのずと上昇することになる。
徐副部長によると、日本円は国際通貨の中では影響力が小さく、日本の量的緩和が世界に与える影響は大きくないが、米国の与える影響は非常に大きい。FRBが過剰なまでに通貨を投入しても、米国市場でこれを吸収し、消化することは不可能で、海外に米ドルや流動性を輸出することになるのは必然的であり、大口商品の価格上昇を招くのも必然的だという。
また徐副部長によると、米国は思わぬ巻き添えを出しており、量的緩和の第2弾(QE2)を実施した際には世界市場で大口商品の価格が上昇した。今も又こうした兆しがみえているという。
▽国際機関を通じて警告
米国の量的緩和は中国に大きな影響を与える。孫教授は、「中国は資源輸入国であり、米日の量的緩和は中国に輸入型のインフレをもたらすことになり、中国の来年の消費者物価指数(CPI)は3%上昇する可能性がある。このような圧力に直面して、国内を政策でコントロールすることは難しく、インフレを受けた通貨引き締め政策が採られる可能性があり、こうした政策は実体経済の発展にとってマイナスになる。また世界は通貨を緩和し、中国は引き締めるというのであれば、中国がくぼ地になってホットマネーがより多く流れ込むようになる」と話す。