訪日外国人消費が回復へ 東南ア客が中国人客の穴埋めに
釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で冷え込む中日関係を背景に低迷が続いていた訪日外国人の消費が復調しつつある。減少した中国人客の穴を埋めているのは、タイやベトナムなど東南アジアからの観光客だ。消費意欲も旺盛で外国人消費の新たな顔になりつつあるという。中国の経済ニュース総合サイト「中国経済網」が報じた。
日本全国に百貨店24店を構える「三越伊勢丹ホールディングス(本社・東京)」は、「11月の外国人向け売上高は前年並みに回復した」と報告。伊勢丹新宿本店ではタイを中心に東南アジアの観光客が前年同月の3倍に伸びた。店頭では海外のブランド品や日本の高級衣料を買う人が多いという。「三越伊勢丹」によると、「1回の支払額は10万円以上と中国人観光客に引けをとらない」。
一方、老舗百貨店を経営する「大丸松坂屋百貨店」(本社・東京)も11月の外国人向け売上高が前年同月より16%増えた。それまで、中国人団体客が多かった松坂屋銀座店は5割減と苦戦が続いているが、大丸札幌店や大丸東京店(千代田区)は4-6割伸びた。そして、9月に増床した大丸東京店は18通貨を両替できるカウンターを新設。日本国内で使用できる携帯電話のレンタルサービスも始めた。
そのほか、観光客に人気があるのは家電量販店だ。うち「ヨドバシカメラ」(本社・東京)のマルチメディアAkiba(東京・千代田区)ではマレーシアなどからの来店客が増加している。同店は「最新式の炊飯器を買うベトナムからの観光客が多い」としている。