世界経済黄皮書:先進国の「日本化」が顕著に
中国社会科学院は北京で24日午前、「世界経済黄皮書」(「白書」に相当)--「2013年世界経済情勢の分析と予測」を発表した。黄皮書は、先進国が直面する問題と困難には同一化の傾向が見られる。経済体制、経済構造、生産・消費方式が似通った社会において、「日本化」が共通の問題となるかもしれないとの見方を示した。中国新聞網が伝えた。
黄皮書は「世界経済の今年の全体的な情勢を回顧すると、いくつかの新たな特徴と変化が読み取れる」とし、以下のように指摘した。
▽欧米日の中央銀行が流動性を供給
短期的に見ると、欧米日の中央銀行が流動性の供給措置を講じたために、金融市場と政府の債務危機が緩和され、投資家の自信が回復してきた。しかし大量の流動性により、資本の大規模な流動、外国為替市場と株式市場の動揺、およびエネルギーを含む世界の大口商品価格の不自然な上昇が招かれ、世界経済の安定と復興にマイナス影響を及ぼす可能性がある。
▽欧州債務危機の悪化が欧州一体化を後押し
ユーロ圏では、一部の国のソブリン債と銀行債務の相互作用により債務危機が悪循環に陥り、絶えず悪化を続けている。欧州債務危機は欧州経済に暗い影を落としたが、一方でユーロ圏一体化を推進するきっかけともなった。2012年、ユーロ圏は財政・金融一体化面で大きな進展を果たした。