河北省三河市に属する燕郊鎮には、北京市内に行くことができる路線バス930系統が走っており、早朝は乗客でごった返す。時には、停留所で数百人が長蛇の列を作ることもある。中国広播網が報じた。
バスがゆっくり停留所に止まると、乗客が一気に押し寄せる。車内はすぐにすし詰め状態になり、それでも後ろから多くの人が乗車しようと躍起になっている。
ドアが半開きの状態で止まってしまった場合、乗務員が窓から手を伸ばし、ドア付近に挟まれている乗客を中に押し込んで、やっとドアが完全に閉まる。
一方、乗りそびれた人は、北京に向かって走るバスを呆然と見つめ、イライラしながら次のバスを待っている。
不動産の高騰と政府の不動産購入規制により、北京で働く数十万人が燕郊鎮を「ベッドタウン」として選んでいる。遅刻しないよう路線バスに乗るため、多くの人は毎朝5時に家を出なければならず、夜は9時に帰宅するという生活だ。
燕郊鎮から高速道路で北京市内に行った場合、往復で料金が30元(約500円)かかる。それに加えてガソリン代が数十元。多くのサラリーマンにとっては大きな負担だ。もし、一般道を走れば、渋滞に何時間巻き込まれるか分からない。
また、地下鉄や都市鉄道も走っていないため、燕郊鎮のサラリーマンにとっては930系統の路線バスが唯一の「足」となっている。料金はわずか2元(約35円)。しかし、すし詰め状態のバスは、サラリーマンにとって解決できない苦悩の種だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年1月3日