「住宅は故郷で買え」 全人代代表の発言が物議=中国
全国人民代表大会代表を務める広東省化州市第二建築工程公司宝安支社の陳華偉・経理は、大都市で高騰する住宅価格問題について、「住宅価格を決めるのは、われわれ開発業者ではなく、市場である。住宅価格の高騰が問題視されているが、広州や深センで買わなければいけないという縛りはない。帰省して故郷で買うことができるのに、なぜ広州や深センで買うことに固執するのか?」と発言した。この「ふるさと回帰論」は、故郷を離れ都会に出てきて奮闘する人々の反感を呼び起こした。中国青年報が報じた。
全国人民代表大会の宗慶後代表も、両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)開催中、メディア取材に対し、陳氏と同様の意見を述べた。宗代表は、「北漂者(地方から北京に出てきて一旗揚げようと奮闘している若者)は故郷に戻るべきだ。今の若い人々で故郷に帰りたがっている人は少ないが、実際、故郷にいた方がずっと尊重される。北漂者はあまりにも多く、成功できるチャンスは極めて少ない」との見方を示した。
このような「ふるさと回帰論」は、熱い議論を巻き起こした。あるネットユーザーは、「大都市生活によるストレスは非常に大きいが、ここに留まって何としても頑張り続けたいという願望を否定してはいけない」とコメントした。また、「大都市で夢を追い求め、さまざまな『ストレスの山』に立ち向かい続けるか、あるいは、故郷に戻って仕事を見つけ、心安らかで平穏な日々を過ごすかは、すべて個人の選択次第であり、どちらか一方を過度に非難すべきではない」との意見もあった。
北漂する女性・金さん(仮名)は、まさにこのような「ストレスとエネルギーに満ちた生活」を送っている。大学卒業後、金さんは迷いなく北京で仕事する道を選んだ。自分の決断について、金さんは、「大学ではメディアを学びました。専攻を活かせる仕事は、地元にはあまりにも少ないけれど、北京には、より広範囲で専門的なメディア関連のさまざまな仕事があります」と話した。彼女は、「夢を夢で終わらせない」ことを常に肝に銘じ、前進し続けている。