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独居老人の迷い犬探し、謝礼は「家一軒」

 17日に微博(ミニブログ=中国版ツイッター)に投稿された「迷い犬探し」の記事が、ネット上で話題になっている。投稿した「家居曹老師」氏によると、今月8日行方不明になった愛犬を探しており、探し出してくれた人には、謝礼として不動産をプレゼントするという。この投稿に多くのネットユーザーが注目している。北京晨報が報じた。

 「家居曹老師」氏は、いわゆる「空の巣家庭(子どもが巣立った後の高齢者の独り暮らしまたは高齢者夫婦の世帯)」の独居老人。2006年、独り暮らしの寂しさが少しでもまぎれるようにと、息子からチャウチャウ犬をプレゼントされた。曹氏によると、犬が家族になったことで、落ち着いた心で毎日を過ごせるようになり、生活に張り合いが出たという。しかし、今年2月8日、7歳になったチャウチャウ犬が行方不明になった。愛する飼い犬に戻ってきて欲しい一心から、曹氏は17日、微博に「迷い犬探し」の記事を投稿、探し出してくれた人には100万元相当の不動産を謝礼として贈呈すると公言した。

 曹氏の投稿内容によると、贈呈予定の不動産は、成都第二環状線の近くにあり、現在の価格は56万元、政府による取壊しが行われる場合、その補償金は100万元を上回る。「私の収入は全て合法的に得たものだ。これからずっと、犬のいない独り暮らしが続くことを思えば、大切な家族を見つけてくれたお礼に100万元は決して高くない」としている。

 ネットユーザーの中には、微博に、「家を買うのはやめて、犬を探しに行こう!」などと面白おかしくコメントする人が少なからずいた。しかし、一方で、「空の巣家庭の老人が、生活の楽しみや身体的な健康を失った時、何をもってもそれらを補うことは難しい」と深く同情する声もあった。

 南京師範大学社会発展学院の黄潤竜教授は、「現在の中国で、空の巣家庭の高齢者問題は極めて深刻になっている。都市に住む多くの空の巣家庭老人は、物質面では何一つ不自由ではないかもしれないが、他者からの関心や愛情を得られず、精神的な欠乏感をひしひしと感じている。お正月や祝日を祝う時も、彼らの相手は犬や猫だけで、確かに大変気の毒だ。彼らの多くは、孤独感や寂しさを紛らわせるために、ペットを飼い、ペットを家族同様に扱い、全ての愛情と関心を注ぐ。ペットが病気になる、あるいは死んでしまうと、精神的にかなり落ち込む高齢者は少なくない」と指摘した。

 黄教授はさらに、「今の高齢者は、身近に子供がいるケースがますます減り、子供が成人すると、ますます遠く離れて生活するようになる。これは、一種の社会現象になっている。政府と地域が、空の巣家庭の高齢者に関心と愛情を注ぐ以外に、高齢者自身も、自分の心身を常に良い状態にもっていくよう、コントロールしなければならない。できる限り家の外に出て、友達を増やし、自分のライフスタイルを確立するよう努めるべきだ」と続けた。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年2月18日

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