住宅価格統計データ、市民の実感と食い違い 北京
北京市房地産(不動産)協会が発表した統計データによると、北京の新築分譲住宅の2012年平均成約価格は前年比7.6%下落した。このデータは、業界内外で大きな波紋を呼び、その中で「北京の住宅価格が下がったとは思えない」という意見が大半を占めた。データの結果と市民の実感との間に食い違いが生じた理由とは何か?中広網が報じた。
北京市不動産協会はこのほど、2012年北京住宅市況報告を発表した。これによると、北京の2012年住宅平均成約価格は1平米あたり2万700元(約29万7千円)、前年比7.6%下落した。しかし、この7.6%下落という数値について、専門家の間から大きな疑問の声が上がった。その大きな理由は、市民の実感が伴っていないという事実だ。
統計データと市民の実感との間に食い違いが生じていることについて、北京市不動産協会の陳志・秘書長は「住宅購入者の受け止め方は、その人が購入する住宅のタイプと購入エリアによって左右される。北京市住宅協会の統計データによると、北京第5環状道路の外側の住宅成約量が全体の86%を占め、1平米あたりの平均成約価格は、前年比2.1%減の1万7600元(約25万2千円)。また、占有面積140平米以下の住宅が全体の80%を占め、その平均成約価格は、同3.2%減の1万7300元(約24万8千円)だった。つまり、住宅購入の構造が、データと実感との違いをもたらしたといえよう」とコメントした。
また、統計規格の違いも、このような食い違いをもたらした一因となった。さらには、このデータに対抗するような報告も登場している。北京不動産協会など政府系機関が発表した不動産関連データ以外に、一部の不動産業者や大型不動産仲介会社が、各自が出した統計データを発表した。しかし、双方の統計規格や資料出典ルートが全て違うため、結論も当然、異なる結果となった。たとえば、某不動産マーケティング関連企業がこのほど報告書を発表したが、これによると、北京の2012年分譲住宅平均成約価格は1平米あたり2万654元(約29万6千円)、前年比4.8%下落。このデータの平均価格は北京不動産協会が発表した数値とほぼ同じだが、下落幅には3%近い開きがある。昨年度の統計データを引用する上で、両者が異なるデータを採用している事実が、この差からはっきりと読み取れる。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年1月15日