トルコ、世界最大の空港建設へ スイス紙「北京が先の可能性も」
トルコのユルドゥルム運輸大臣は23日、イスタンブールに世界最大規模の空港を建設する計画を明らかにした。新空港の総建設費は70億ユーロ(8470億円)を上回り、年間利用旅客者数は延べ1億5千人に達する見通し。環球時報が伝えた。
新空港は、イスタンブールで3カ所目の空港となり、占有面積は7700万平方メートル、イスタンブールの欧州側黒海沿岸に建設される。6本の滑走路が建設される計画で、これらがフル稼働すれば、旅客輸送力は文句なく世界トップとなる。建設は4期に分けて行われ、第1期は、2017年に竣工・運用開始の見通し。4期の工事が全て完成すると、年間旅客利用者数は延べ1億5千万人に達し、ドイツ最大のフランクフルト空港の3倍相当となる。24日付のトルコ政府紙に、新空港建設プロジェクト入札募集広告が掲載された。これによると、入札参加の申し込みは5月3日に締め切られる。
国際空港評議会(ACI)の統計データによると、現時点で、世界最大規模の空港は、米ジョージア州のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港で、年間利用旅客者数は延べ9236万人。続く第2位は北京首都国際空港(7740万人)、第3位は英ロンドン・ヒースロー空港(6943万人)。
欧州債務危機が長期化する中、トルコの大空港建設計画は、ほかの欧州諸国の嫉妬心を呼び起こした。スイス紙「NP 20 Minuten」は、トルコは欧州で成長スピードが最も速い経済体だ。トルコがアジアと欧州さらには世界各国を結ぶハブ空港の位置を狙っていることは明らか」と報じた。また、スイス紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイツング」は、「トルコは、ロンドン・パリ・フランクフルトに追い付き、さらには追い越す計画で、最終目標は『欧州一の強国』になることだ」との見方を示した。しかし、「NP 20 Minuten」は、「中国の発展スピードから見ると、北京がイスタンブールより先に、世界最大の空港を完成させる可能性もある」と指摘している。
トルコ人のハジェル記者は、新空港建設計画の進展状況にずっと関心を寄せてきた。彼は、「新空港が完成すると、トルコ経済に大きなプラス影響を及ぼすだろう」との見方を示した。イスタンブール市議会議員のHaq Salam教授は24日、「新空港は建設すべきだが、市民の反応にも注意しなければならない」と指摘。さらに、「新空港の建設予定地は、イスタンブールで最も重要な貯水地区であり、同市で最後に残った森林・緑地エリアだ。市民は、このエリアの環境が破壊されることを大変心配している。政府はまず、環境アセスメントを行うよう提案する」と続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年1月28日