学生に器具の使い方を説明するタジキスタン「魯班工坊」の教師(写真提供・天津都市建設管理職業技術学院)。
中国の対外職業教育協力機関「魯班工坊」で初めて実践トレーニング授業を受けた時のことについて、タジキスタン技術大学の学生は、「あんなに素晴らしい場所を見たのは初めてだった。測地を専門に学ぶために必要な器具が全て揃っているほか、全て最新の基準をクリアしていた」と振り返る。人民網が報じた。
タジキスタン魯班工坊は、中央アジア5ヶ国に設置された初の魯班工坊。天津都市建設管理職業技術学院とタジキスタン技術大学は2022年3月から、その設置に向けて協力し、同年11月から運営が始まった。工坊はドゥシャンベに位置するタジキスタン技術大学内に設置されており、建築面積は1138平方メートル。現時点で約300人の教師と学生がいる。
2022年8月1日に完成したタジキスタン魯班工坊(写真提供・天津都市建設管理職業技術学院)。
タジキスタン社会のニーズを考慮し、双方は、熱エネルギー応用技術と工事測量技術の2学科を共同で開設した。タジキスタン技術大学の副学長によると、タジキスタンの領土は93%以上が山地で、鉱産物やエネルギー資源が豊富であるほか、タジキスタンでは晴天の日が年間平均280—330日もあり、太陽エネルギーを活用できれば、エネルギー需要の10-20%を賄うことができるからだ。
そこで、中国とタジキスタンの教師は、現地の学生に合わせた中国語とロシア語の教材を編纂した。この2ヶ国語の教材は、多くの段落の横にQRコードがあるというのが特徴。読んでも理解できない時に、学生はQRコードをスマホでスキャンすれば、対応した動画による説明を見ることができ、効果的な学習ができるようになっている。
タジキスタン魯班工坊の教室(写真提供・天津都市建設管理職業技術学院)。
中国の古代における木工の名匠・魯班の名を取った「魯班工坊」は、中国の「匠の精神」も発揚し、中国の職業教育が世界に進出する際の「名刺」となっている。魯班工坊が立ち上げられると、タジキスタン技術大学の関連学科の応募者数が目に見えて増加した。また、同大学は道路建設や測地、工業、エネルギーといった分野の外部の企業向けに、研修カリキュラムを提供する計画も立てている。
魯班工坊の教師や学生が今後、技術を「架け橋」にして、異文化交流の民間の使者として活躍することが期待されている。(編集KN)
魯班工坊の授業風景(写真提供・天津都市建設管理職業技術学院)。
「人民網日本語版」2023年5月24日