中国では昔から、結婚前にマイホームを購入するというのが伝統的な観念としてある。では、なぜ多くの人が「結婚前にマイホームを購入しておかなければ」と考えているのだろうか?家がなければ結婚できないのだろうか?中国青年報が報じた。
中国青年報社・社会調査センターがこのほど青年を対象に実施した調査では、回答者の78.5%が「マイホームがあると居場所ができ安心感がある」、50.5%が「伝統的にマイホームこそが自分の『居場所』と考えられている」、47.4%が「結婚する時に、マイホームがあるかについて話すのは、家庭の実際の必要を考えてのことで、育児や親の世話のための安定した環境となる」との見方を示した。
江西省出身で、今は湖北省武漢市の検察院の職員として働く楊平さんは、「『高額の結納金』と『男性側がマイホームを準備』というのが、僕の生まれ故郷の伝統。でも、近年は、超高額の結納金を求めるという悪い習慣は捨てるようにと国も提唱している。そのため現在、結納金はある程度形式的なものになったものの、結婚する前に、男性側がマイホームを準備するという習慣は今も残っている。結婚にはマイホームが必要と、みんなが考えている」と語る。
そして、「武漢の場合、地価が高めのエリアならば、3LDK1部屋の値段は200万元(1元は約19.7円)くらい。月々の給与やボーナスなどから頑張って貯めた上で、福利厚生の住宅購入積立金も加えれば、数年後にはそこそこの家を買うことができそうだ。がんばって仕事をする原動力にもなり、暮らしを充実させてくれる。能力や資金が許す範囲ならば、マイホームを購入するというのはいいことだと思う」との見方を示す。
北京市に住む女性・鄭月嵐さん(28)は出産後、2LDKから3LDKに買い替えたといい、「結婚したら、落ち着いた生活をすべき。マイホームがあれば安心感があるし、仕事にも身が入る」と話す。
一方、広東省広州市のある外資系企業で働いている李蜜さんはボーイフレンドとアパートに住んでおり、「投資関係の仕事をしているため、安全感とはより多くの資金を持つことにあると考えている。広州の住宅価格は高く、購入すると頭金や高額のローンに縛られてしまう。それよりも、安定した収入があり、手元に現金があり、いつでもそれを動かせるほうが安心感がある」と話す。
そして、賃貸生活については、「仕事が変わったり、一つの場所に住み飽きたりしたら、他の好きな場所に好きな時に引っ越せる。若いうちに大都市で成長できるよう頑張り、それに疲れたら、環境が良く、住宅価格も手ごろな都市に定住したい。生活には、いわゆる『敷かれたレール』というものはなく、今快適であればそれが一番」と、まんざらでもない。
調査で回答した青年のうち、マイホーム所有者が32.7%、親と同居が37.2%、賃貸が21.2%、寮住まいが8.1%だった。また、生活している都市は、一線都市が29.4%、二線都市が42.3%、三・四線都市が25.3%だった。男女別を見ると、男性が44.2%、女性が55.8%だった。年齢層は18-25歳が25.0%、25-30歳が50.0%、30-35歳が25.0%だった。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年5月19日