5月18日、引退会見で話す石川佳純さん(撮影・岳晨星)。 |
五輪に3大会連続で出場し、3つのメダルを獲得した卓球の石川佳純さん(30)が今月18日に東京都内で引退会見を行い、23年間の競技人生を振り返ったほか、応援してくれた中国のファンに向けて、流暢な中国語で感謝の言葉を述べた。新華社が報じた。
引退を決意した理由について、石川さんは、「決意した理由は、自分自身、やりきったと思えたから。5月の世界選手権(世界卓球)に出場できないことが決まって、自分としても良いタイミングなのかなと思い、そこで現役引退を決意した」と説明した。
そして、「3月のWTTシンガポールスマッシュが終わった時点で、4月の中国でのWTT2大会に出場することが決まり、その時に『次の2大会で最後にしよう』という決意を固めた。はっきりと引退を決意したのはその時」と語ると、涙ぐみ言葉を詰まらせた。WTTチャンピオンズマカオでは、中国の陳夢と対戦し、1対3で敗れ、それが現役最後の一戦となった。
5月1日、石川さんは複数のソーシャルメディアで、中国と日本語で現役引退を発表した。微博(ウェイボー)では1000字以上にも及ぶ中国語で引退を発表し、50枚以上の画像を添え、中国ファンに対する強い思いを示した。またその引退宣言の投稿には、1万件以上の熱意溢れるコメントが寄せられた。
引退会見で、新華社の記者から微博に寄せられたコメントに対する感想を求められると、石川さんは流暢な中国語で、「(河南省)新郷と澳門(アモイ)に試合に行ったときはファンの方がたくさん応援してくださり、まるでホームのように気持ちよく試合をさせていただいた」と語った。
そして、「13歳の時から、私を指導してくれたのは中国人だったので、微博で現役引退を表明して感謝の気持ちを伝えたかった。こんなにたくさんのメッセージをいただけるとは思ってなかったので、本当にうれしかった。感謝している」とした。
日本の記者が強く関心を抱くライバルの中国について「やはり世界一卓球が強い国で、なかなか勝つことが難しいなと勝負するたびに思い、学ぶこともたくさんあった。すばらしい選手の姿を見て成長できた。中国はすごく勝ちたかった相手でもあり、たくさんの思い出がある」と話した。
また、今後については、「これまでは練習の時間がほとんどで勉強する機会がなかったので、新しいことにチャレンジし、勉強をしてみたい。スポーツに関わる分野のほか、人に何かを伝えることは難しいと感じているので、学ぶことで自分自身の経験を伝えたり、成長できると思っている。自分は卓球界に育ててもらった。素晴らしいスポーツに恩返しをしたい」と話した。
石川さんは、全日本卓球選手権女子シングルスで5度優勝し、ロンドン五輪と東京五輪では女子団体で銀メダルを獲得。リオデジャネイロ五輪の女子団体では銅メダルを獲得した。また、2017年の世界卓球選手権では混合ダブルスで優勝を果たした。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年5月19日