2018年9月23日、広深港高速鉄道が全線開通し、記念プレートを掲げる深セン北駅から香港西九竜駅に向かう高速鉄道「G5711」号の乗務員。(撮影・毛思倩)
「広深港(広州-深セン-香港)高速鉄道が開通して、香港西九竜駅から深セン市の福田駅まで20分足らずで行けるようになり、広州南駅にも50分ちょっとで行けるようになった。港珠澳大橋(香港・珠海・マカオ大橋)が全線開通して、香港から澳門(マカオ)まで40分以内になり、珠海に行くにも50分かからなくなった」。深セン市で自動運転プロジェクトの開発を手がける香港の若者の詹培勲さんは、同高速鉄道の香港区間が開通した時と同大橋が貫通した時のワクワクした気持ちを今でも覚えているという。新華社が伝えた。
「粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市圏)の『1時間生活圏』めぐりを楽しむ」、「深センで起業し、香港で生活する」など、2つのエリアの融合の可能性が詹さんのような起業家を奮い立たせている。詹さんは2020年に香港での仕事を辞め、投資者から創業者への転身を遂げた。詹さんが手がける自動運転プロジェクトは主にクローズドのパーク内での輸送に応用され、香港科技大学の実験室を飛び出して量産を実現し、今や150人あまりのチームを抱え、3回の融資を獲得し、製品は広州港をはじめ100ヶ所以上のパークで使用されるようになった。
「マスク、除菌ウェットティッシュは、ネットで購入すれば安いしすぐ手に入る」と話す舒さんは家に親と子どもがおり、粤港澳大湾区の都市間輸送の便利さを肌で感じるという。「深センに倉庫がありさえすれば、新型コロナウイルス感染症の流行中でも、注文してから商品を受け取るまで2日しかかからない。お米もネットで買っている。内陸部産の丸いパールライスはおいしいし、感染症の流行中、香港ではずっと手に入らなかったから」と舒さん。
中国銀行(香港)有限公司個人向け金融・資産管理部の陳文ゼネラルマネージャーは、「大湾区の越境市場のニーズがあまりにも大きい。それに応えるため、中国銀行は『全行員が越境業務を担当する』ことを求める。これには業務の末端に位置するカウンターでのサービス担当者も含まれる。私たちは大湾区に187の支店があり、3500人の行員がおり、越境業務を理解することは必須だ」と述べた。
陳さんは、「かつての香港と広東の人の流れ、物の流れ、資金の流れは単純な往来が多く、1回だけ往復する観光客が多数を占め、単純な通貨の交換やクレジットしか行なわれていなかった。2019年に『粤港澳大湾区発展計画綱要』が打ち出されると、両地域の交流はますます多様化した。定年退職、医療、学校、不動産など多様なニーズがますます増え、一体化のニーズもますます高まった」と振り返った。