抖音が漢詩統計報告を発表 最も人気の詩人は李白

人民網日本語版 2022年06月22日16:09

ショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」が今月20日に発表した「抖音漢詩統計報告」(以下、「報告」)によると、過去1年において抖音の漢詩関連の動画の再生回数は累計で前年比168%増の178億回に達した。ネットユーザーの間で伝統的な漢詩が人気となったのを背景に、関連書籍の販売も好調となった。過去1年において抖音のECプラットホームの漢詩系書籍の売上高は前年比588%増となった。中でも最も良く売れたのは「唐詩三百首」や「跟着詩詞去旅行」といった書籍だった。封面新聞が報じた。

漢詩の名作を楽しむ斬新なスタイルが人気に

報告によると、抖音のユーザーの間で最も人気の詩人は、「詩仙」とも呼ばれる唐代(618- 907年)の李白で、以下、宋代(960-1279年)の蘇軾、李清照と続いている。しかし唐詩の人気ランキングでは、王維の「相思」が李白の「将進酒」を抑えてトップに立った。

また漢詩の楽しみ方も日に日に多元化している。例えば、「00後」(2000年以降生まれ)は、漢詩とラップを組み合わせることを好んでいるのに対して、「90後」(1990年代生まれ)は、ダンスを通して漢詩の美しさを表現することを好んでいる。「80後」(80年代生まれ)は、朗誦を通じて漢詩の魅力を感じることを最も好み、「70後」(70年代生まれ)は、伝統的な演劇を通して漢詩を理解することを好んでいる。

さらに「漢詩ブーム」の影響で、漢詩の名作に登場する観光スポットに、ネットユーザーが争うように「いいね!」を押している。報告によると、人気の漢詩関連の観光スポットのうち、最もたくさん「いいね!」が集まっているのは、蘇軾が「美女・西施に例えるなら、 薄化粧も厚化粧も、いずれもよく似合っており、素晴らしい」と詠んだ浙江省杭州市の西湖だ。

抖音が漢詩の魅力を伝える場に

中国古典詩学者の葉嘉瑩氏はかつて、「中国の伝統文化において、詩歌の最も貴重な価値と意義は作者から読者に向けて心を揺さぶるような命のきらめきを感じさせ続けてくれること」と語った。

すでに99歳という高齢の葉氏は現在もしばしば抖音を通して漢詩に対する自身の思いや悟りをシェアしている。また北京師範大学の康震教授や華中師範大学の戴建業教授、文化学者の紀連海氏、著名な作家・蒋勛氏といった専門家や学者も抖音において漢詩を朗読し、ネットユーザーが古代の人々のロマンチックな詩意を感じることができるよう手助けしている。

康教授は、「漢詩がショート動画プラットホームで大人気になっているのは、短い言葉で的確に表現されているほか、そこには高度な思想が含まれ、心を動かす奥深さがあるからだ。それは、今の人々が精神生活を追求していることを反映しているほか、ショート動画が追求する簡潔で洗練された内容という特徴ともマッチしている。時代は発展しているが、漢詩に含まれている詩意や文化は依然として、私たちの今の生活と密接な関係があり、私たちを精神的に豊かにしてくれる」と分析している。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年6月22日

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