商務部(省)、国家統計局、国家外貨管理局は29日に共同で、「2020年度中国対外直接投資統計年報」を発表し、2020年の中国の対外直接投資の統計データを正式に公表した。同年報によると、20年の対外直接投資は前年同期比12.3%増の1537億1千万ドル(1ドルは約111.4円)に上り、フローの規模が初めて世界一になった。中国新聞網が伝えた。
同年報によると、20年の中国の対外直接投資には主に次の5つの特徴が見られた。
(1)中国企業の対外投資が全体として引き続き活発だった。20年の対外直接投資は同12.3%増の1537億1千万ドル、フローは初めて世界一になった。20年末の対外直接投資のストックは2兆5800億ドルで、米国(8兆1300億ドル)とオランダ(3兆8千億ドル)に次ぐ3位だった。グローバル海外直接投資における中国の影響力が拡大を続け、フローが世界に占める割合が5年連続で10%を超えて20年は20.2%となり、ストックは同0.2ポイント上昇して世界の6.6%を占めた。20年の中国は双方向の投資がほぼ前年の水準を維持し、外資導入と海外進出が同時に発展した。
(2)「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国への投資が安定して増加した。20年末現在、中国国内の機関投資家2万8千ヶ社が世界189ヶ国・地域で設立した対外直接投資を手がける企業は4万5千社に上り、中国は世界の国と地域の80%以上に投資し、年末時点の在外企業の資産総額は7兆9千億ドルに上った。「一帯一路」沿線国に設立した在外企業は1万1千社以上あり、20年の直接投資額は同20.6%増の225億4千万ドルで、同期のフローのうち14.7%を占めた。年末のストックは2007億9千万ドルで、同期のストック総額の7.8%を占めた。13-20年の「一帯一路」沿線国への直接投資額は累計1398億5千万ドルに上った。
(3)投資分野が日増しに広がり、構造が最適化を続けた。20年の対外直接投資は国民経済の産業分類のうち18種類をカバーし、投資の7割近くがリース・ビジネスサービス、製造、卸売・小売、金融に向かい、この4大産業におけるフローはいずれも100億ドルを超えた。20年末現在、中国の対外直接投資のストックの8割がサービス業に集中し、リース・ビジネスサービス、卸売・小売、情報伝達・ソフトウェア・情報技術(IT)、金融、不動産、交通輸送・倉庫貯蔵、郵便などの分野に主に分布する。
(4)非公有制経済と公有制経済の持ち株主体の対外投資が同時に進んだ。20年の非金融分野への対外投資フローのうち、非公有制経済の株式を保有する国内機関投資家の投資額は同14.1%増の671億6千万ドルで、全体の50.1%を占めた。公有制経済の株式を保有する国内機関投資家の投資額は同15.1%増の668億9千万ドルで、全体の49.9%を占めた。
(5)互恵・ウィンウィンの効果が顕在化し、共同発展を実現した。20年の在外中国資本企業が投資先国・地域で納めた各種税金は計445億ドルに上り、雇用した外国人社員は218万8千人で、在外企業の社員総数の60.6%を占めた。対外投資が中国産物品の輸出をけん引し、中国の物品貿易の輸出額の6.7%を占めた。在外中国資本企業の20年の売上高は2兆4千億ドルに達した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年9月30日