先日の生物兵器禁止条約(BWC)に関する会議で、米国は再び他の182ヶ国の締約国と単独で対立し、検証議定書交渉の再開を全力で妨害した。米国は20年近くにわたり、「生物分野で検証は不可能」、「国際的検証は米国の国益や企業秘密を脅かす可能性がある」、「他国の産業スパイ活動を利する」等を理由に、検証議定書交渉の再開を妨害してきた。(文:賈平凡。人民日報海外版掲載)
米国は生物・化学戦争の発動能力を持つ世界唯一の国であり、その先進的な生物・化学兵器技術は「悪魔」との汚い取引に源を発する。第二次世界大戦後、米国は中国侵略日本軍731部隊による細菌実験や生物・化学兵器の製造に関する全ての資料を入手するために、人体実験や細菌戦という731部隊による倫理に反する犯罪行為を無視して、日本側と秘密取引を行った。米国の庇護の下、731部隊の責任者である石井四郎は国際軍事法廷の審判を免れただけでなく、米フォート・デトリックの「731」ビルに入り込んで悪魔の実験を続けることにも成功した。
生物・化学製剤を使用する大量破壊兵器である生物・化学兵器は、かつて世界に甚大な人道的災害をもたらし、今なお人類の生存と安全に対する重大な脅威となっている。しかし米国は国際社会の懸念を顧みず、生物・化学兵器を頑なに開発・使用するという邪な道を突き進んでいる。
国際社会が生物・化学兵器の禁止を強く求めている中で、生物兵器禁止条約の締約国である米国は、中東やアフリカ、東南アジア、旧ソ連を含む25の国と地域に200以上の生物学研究施設を設置し、秘密裏にいわゆる「科学的研究」を展開したが、次々に起こす重大な漏出事故によって悪い意味で注目を浴びることとなった。USAトゥデイによると、2003年以降、米国の国内外の生物学研究施設では、致死性微生物との偶発的接触事故が数百件起きた。こうした接触は直接的接触者が致死性ウイルスに感染する事態を招き、彼らを介してコミュニティにウイルスが広がり、感染症の流行を招く可能性がある。
生物・科学兵器の使用においては、米国の歴史はなおさら悪行にまみれている。天然痘ウイルスを故意に拡散させて、先住民のジェノサイドまであと一歩に至ったこと、朝鮮戦争でコレラや腸チフス、ペストなどのウイルスを持つ昆虫を大量に投下して、中朝両国の軍隊・民間人に大量の死傷者をもたらしたこと、ベトナム戦争で2000万ガロンの枯れ葉剤を投下してベトナム人40万人を死亡させ、ベトナム人約200万人を癌などの病気にさせたこと、コソボ紛争やイラク戦争で化学兵器や劣化ウラン弾を大量使用して数多くの死傷者を出し、現在も被害が続いていることなどが挙げられる。
なぜ米国は世界が非難する事を敢えて犯し、生物・化学兵器の開発と使用に執着するのか?その答えは難なく分かる。それは世界覇権の維持のためだ。第二次世界大戦後に世界覇権を確立した米国は、世界的競争の全てにおいて先を争い、国際問題の全てに干渉してきた。米国にとって生物・化学兵器は軍事的優位性を強化し、世界をコントロールするための大きな突破口だ。しかし、生物・科学兵器の無節操な開発によって、米国は人類の生存と安全に多大なリスクをもたらすパンドラの箱を開けてしまったと言える。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年9月28日