第8回中日韓サミットがこのほど四川省成都市で行われた。3カ国の指導者は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉の成果を基礎として、中日韓自由貿易協定(FTA)の交渉を加速させ、全面的、高い品質、互恵、それ自体が価値をもったFTAの妥結に向けて努力することに同意した。新華網が伝えた。
この情報が伝わると各方面から広く注目が集まった。専門家は、「中日韓は世界の貿易大国であり、3カ国が実際の行動によって多国間主義システムと自由貿易を断固守ることは、地域と世界の経済に積極的な影響を及ぼす」との見方を示した。
中日韓三国協力事務局の李鍾憲・前事務局長は、「中日韓3カ国が手を取り合って自由貿易を守り、保護主義への対応に力を入れるための方法の1つは、中日韓FTA交渉の推進に力を入れることにほかならない。交渉が終了してFTAが署名されれば、この地域の経済協力水準をさらに押し上げ、3カ国協力を新たなステージへ進ませ、この地域と世界の安定・繁栄にとっても重要な意義をもつことになる」との見方を示した。
今から20年前、中日韓の指導者は高い視点に立ち、長期的な視野をもって、アジア通貨危機の寒風が吹きすさぶ中で中日韓協力をスタートした。それからの20年間で、中日韓はお互いがお互いにとって重要な経済貿易パートナーとなり、3カ国間の貿易額は1999年の1300億ドル(1ドルは約109.4円)から2018年は7200億ドルを突破するまで増加し、3カ国を合わせた経済規模は世界の17%から24%へと増大した。
日本経済界の関係者の間では、「中日韓FTA交渉を加速的に推進することは3カ国の共同利益に合致するのであり、3カ国は関税の減免、ECルールの共同制定などを通じて経済成長率を引き上げたいと考えている」との見方が一般的だ。
現在、グローバル経済の成長率が鈍化し、自由貿易システムはかつてない挑戦を受けている。東アジア地域の重要なエコノミーとして、中日韓3カ国は経済的な相互のつながりが密接であり、これまでに相当なレベルの産業分業システムと高効率で互恵の産業チェーン関係を構築してきた。専門家は、「中日韓FTA交渉を加速的に推進すれば、地域の競争力を共同で向上させる上でプラスになる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月28日