このほど微博(ウェイボー)でトピック「#中国外交部の見事なコメント2019#」が大きな反響を呼んでいる。ここでは今年、中国の外交チームが残した名言を振り返ってみよう。
(1)「中国に対してあれこれ口出しし、無闇に非難する資格が最もないのは米側だ」
1月17日、ペンス米副大統領が中国について多くの事実無根の非難をし、「法律とルールを無視する中国の行為をもう看過しない」と述べたことに対し、外交部(外務省)の華春瑩報道官は、「国際ルールについて言えば、誰の目にも明らかなことだが、国際ルールに対して『都合が良ければ用い、悪ければ棄てる』という米側のダブルスタンダードはあまりにも露骨。この問題において、中国に対してあれこれ口出しし、無闇に非難する資格が最もないのは米側だ」と述べた。
(2)「中国が強大化していくのは必至だが、一段と強硬になることはあり得ない」
3月8日の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)で王毅外交部長(外相)は、「中国が強大化していくのは必至だが、一段と強硬になることはあり得ない。中国は独立自主を尊ぶが、独断専行することはあり得ない。中国は当然断固として権益を守るが、覇権を追求することはあり得ない」と述べた。
(3)「公正さは人の心に自然とあるもので、正義は必ず訪れる」
王毅外交部長は孟晩舟事件について、「我々が今日守ろうとしていのは、単なる一企業の権益に限らず、1つの国家、1つの民族の正当な発展の権利であり、さらには自国の科学技術発展レベルの向上を望む全ての国々のあるべき権利だ。公正さは人の心に自然とあるもので、正義は必ず訪れる」と述べた。
(4)「彼らは言い飽きていないようだが、我々は聞き飽きた」
5月9日、外交部の耿爽報道官は、米側が英側に「一帯一路」(the Belt and Road)について警戒を怠らず、反対の声を上げるよう促した事に関する記者の質問に、「このところ米側の一部の人々が再び言い古された主張を持ち出し、『一帯一路』イニシアティブを非難し、そのイメージを汚そうとし続けている。彼らは言い飽きていないようだが、我々は聞き飽きた。私は彼らに再度注意を促したい。デマを流す自らの能力を過大評価してはならず、他者の判断能力を過小評価してもならない」と述べた。
(5)「こうしたレッテルを中国に貼ることはできない」
6月3日の外交部定例記者会見で、米国防総省が初の「米国防総省インド太平洋戦略報告」において中国を「修正主義大国」や「国際体制を破壊」としたことに対する質問に、耿報道官は、「いわゆる『修正主義大国』や『国際体制を破壊』といったレッテルを中国に貼ることはできない。中国は常に国際秩序の擁護者だ。米国はWTOの重要な加盟国にもかかわらず、多国間貿易ルールに公然と違反し、『関税のプレッシャー』をしばしば用い、振りかざしている。したがって、国際ルールと国際機関を都合が良ければ用い、悪ければ棄てているのは一体どの国であるのか、国際社会の目には明らかだ」と述べた。
(6)「それらの国々の名前は耳にした誰かが心を痛めるだろうから、具体的には挙げないでおく」
6月上旬、ポンペオ米国務長官がインタビューで、「中国企業では情報セキュリティーが確保できない。華為技術(ファーウェイ)を使用する限り、プライバシーやデータ保護を保証できない」と再び発言。6月10日、外交部の耿報道官は、「ポンペオ氏はどこに行っても必ず中国について語る。残念なことに、こうした発言は嘘と謬論に満ちている。6月6日時点で、ファーウェイは世界30ヶ国で5Gの商業契約を46件手にしている。この中には米国がこのところしきりと老婆心から説得してきた一部の同盟国や欧州の国が含まれている。ただそれらの国々の名前は耳にした誰かが心を痛めるだろうから、具体的には挙げないでおく」と述べた。
(7)「中国人は邪を信じず、プレッシャーを恐れず、その手口に乗ったことなどない」
報道によると6月26日、トランプ米大統領は、「この数日間にわたり米中は経済貿易問題について意見交換した。双方はG20サミット期間に合意に達するかもしれない。合意に達しなかった場合、中国に追加関税を課す」と発言。外交部の耿報道官は翌27日の定例記者会見で、「中国は中米間の経済貿易摩擦の対話と協議による解決を一貫して主張しているが、同時に自らの正当で合法的な権益は断固として守る。米側が中国側に追加関税を課すと威圧しても、中国国民を脅かすことはできない。中国人は邪を信じず、プレッシャーを恐れず、その手口に乗ったことなどないからだ」と述べた。
(8)「今日、私はいっそのこともう少し言わせてもらうことにしよう」
7月3日、外交部の耿報道官は香港に関するハント英外相の発言を批判した際、「香港の事は完全に中国の内政であり、いかなる外国の政府・組織・個人も、いかなる方法でも干渉してはならない」とし、「いわゆる『香港市民の自由は英側が勝ち取ったものだ』といった言い様は厚顔無恥以外のなにものでもない。是非ともハント氏に、『英国が香港を植民統治していた時代、香港に民主と呼べるものがあったのか?』ということを問いたい」と述べた。
(9)「彼女はやや身の程知らずだと言うしかない」
「香港独立」芸能人の何韻詩(デニス・ホー)が中国を国連人権理事会から除名すべきだと声高に主張したことに対し、7月9日、外交部の耿報道官は、「中国を除名したいというのだろう?それは馬鹿げた考えであり、そんな事が可能だと思っているのだろうか。彼女はやや身の程知らずだと言うしかない」と述べた。
(10)「米国という灯台の明るさは大したことがないようだ」
7月12日の外交部定例記者会見で、耿報道官は一連の話題となっている問題に対する記者の質問に対し、「米国は世界における自由の灯台を自称しているが、この灯台の明るさは大したことがないようだ。米国は中国と全世界の問題を解決するとも発言しているが、そんな大言壮語もあまり恥とは思っていないらしい。米国にはその責任はなく、またその権限も授けられていないばかりか、その能力もなく、またそのレベルにもない。まずは自国の問題をしっかり解決してからにすべきだ」と述べた。
(11)「米国のような後先考えないやり方はすべきでない」
7月26日、米側はWTOにおける発展途上国の地位の問題に関する覚書で、WTOに90日以内のルール変更を要求し、繰り返し中国に言及した。7月29日の外交部定例記者会見で華報道官は「今回のWTOにおける発展途上国の地位についての姿勢表明によって、米側の我が儘さと傲慢さ、自己本位ぶりがさらに露呈した。このようなやり方は、世界一の大国としての地位にそぐわない。現在中国のネットでは『米国のような後先考えないやり方はすべきでない』という言葉が人気だ。我々は米側の一部の人々には深く反省することを望む」と述べた。
(12)「私としてはもう『笑う』しかない」
7月31日の外交部定例記者会見で、「トランプ米大統領は『中国はしばしば前言を翻す。もし来年の大統領選挙で私が再選されるのを待ってから合意を結ぶというのであれば、それは間違いなくもっとまずい合意になる』と述べた。これについて、中国側としてコメントは?」との質問に、華報道官は「その報道は目にした。私としてはもう『笑う』しかない」と述べた。
(13)「このような『光景』が米国で増えれば増えるほど良い」
6月、ナンシー・ペロシ米下院議長は香港地区のデモ行進を公の場で「美しい光景」と称した。8月2日、外交部の華報道官は、「このような『光景』が米国で増えれば増えるほど良いと我々は望んでいる」と述べた。
(14)「米側は最近『疑念』を抱きすぎている」
9月10日、外交部の華報道官は記者会見で、「米側は最近『疑念』を抱きすぎている。そうした疑念の一つ一つは最終的に事実だと証明されただろうか?」とし、「米側の一部の人々は、SF映画の大家になれると私は思う。なんら事実の証拠がないまま捏造したこれらの見解は全くのお笑い草と言うしかない」と述べた。
(15)「ハッ、全くのたわごとだ!」
10月26日、中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は中国を念頭に置いたペンス米副大統領の発言について、「ハッ、全くのたわごとだ!」と短く切り返した。このコメントはその口調から表情までまさに余すところなくその意図を表現していたと言えよう。
(16)「来るなら歓迎するが、来なくても別に構わない」
第2回中国国際輸入博覧会が11月5日から10日まで上海で開催された。11月1日の外交部定例記者会見で米側はハイレベル代表団を派遣しないことを確認したとの報道について、耿報道官は、「彼らが来るなら歓迎するが、来なくても別に構わない」と述べた。
(17)「自国領域内での通常訓練に何も騒ぐようなことはない」
中国2隻目の空母が11月17日、台湾海峡を無事に通過した。これについて外交部の耿報道官は「中国艦隊は自国領域内で正常な通常訓練を実施しただけで、何も騒ぐようなことはない。中国側のこの活動は国際法及び国際慣行に合致しており、我々は関係方面に対し、中国側の正常な軍事行動を妨害するあらゆる行為を止めるよう要求する」と述べた。
(18)「米側がこのように執着する以上、今日は私も少し執着する」
11月25日の外交部定例記者会見で、「アリス・ウェルズ米国務次官補代理(南アジア担当)は先日ウイルソン・センターで演説した際『中国パキスタン経済回廊(CPEC)はパキスタンに巨額の債務負担をもたらす。米側の経済協力モデルは中国側より優れている』と述べた。これについて、中国側としてコメントは」との質問に、耿報道官は、「こうした発言に対して、中国とパキスタンの双方が、すでに繰り返し明確な説明及び批判と反論を行っている。だが米側の一部の人々は依然として同様の台詞を暗誦し、同様の芝居を演じており、たとえ演技に失敗しても止めず、観客から野次が飛んでも舞台を降りようとしない。米側がこのように執着する以上、今日は私も少し執着して、これまで我々がたびたび口にしてきた批判と反論を改めて繰り返してみる」と述べた。
(19)「ポンペオ氏の現在のやり様は、まさに『祥林嫂』にそっくり」
ポンペオ米国務長官が先ごろ、「華為技術(ファーウェイ)にはいくつかの国々でスパイ活動に携わっている疑いがある」として、特にドイツや英国などの知的財産権を盗んでいると指摘した。これについて華報道官は、「魯迅の小説『祝福』に出てくる『祥林嫂』という女性は、常に同じ事ばかり際限なく、くどくどとしゃべり続ける。ポンペオ氏の現在のやり様は、まさにこの『祥林嫂』にそっくり。ただ祥林嫂がくどくどしゃべるのは害のない無駄話だが、ポンペオ氏がくどくどしゃべるのは、いずれも毒のある偽りというだけのこと」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年12月12日