中国人科学者は「折り紙」を参考にし、グラフェンナノ構造の制御を実現した。中国科学院物理研究所の高鴻鈞氏が率いる研究チームの陳輝博士らは、世界で初めて原子レベル精密制御のグラフェン折り畳みを実現した。関連成果はこのほど、「サイエンス」誌に掲載された。科技日報が伝えた。
「折り紙」をヒントにした折り畳み技術は、多くの科学技術の先端分野で、形状と機能の異なる構造、部品、さらには機械の構築に巧妙に用いられている。例えば生物学分野では、一本鎖DNAを複雑な二次元形状に折り畳むことができる。マクロスケールでは、科学者は折り紙をヒントにして、すでにグラフェン機能部品、さらには機械模型を構築することができるようになっている。原子スケールでも、理論上、グラフェンの曲げや折り畳みにより、新たな電子学的特性を持つナノ構造を構築できることが分かっていた。
陳氏らはグラフェンナノ構造の原子レベル精密制御・折り畳みを実現し、新型準三次元グラフェンナノ構造を構築した。この構造は、二次元回転スタック二層グラフェンナノ構造と一次元の準カーボンナノチューブ構造で構成されている。今回、世界最小スケールの、原子レベルの精密制御が可能な、需要に基づきカスマイズできるグラフェン折り畳みを世界で初めて実現した。
陳氏によると、この原子レベルの精密な「折り紙」により、その他の新型二次元原子結晶材料や、複雑な折り畳み構造を作ることも可能で、それにより機能ナノ構造及びその量子部品を作り出し、その新たな物理現象を研究するとができる。この研究は量子材料及び量子部品(機械)の構築に対して、重要な科学・技術的意義を持つ。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年9月9日