客に慣れた手つきでザリガニの殻を剥いてみせる従業員(撮影・喬然)。
6月から8月にかけて、ザリガニ料理がシーズンを迎える。フードデリバリープラットフォーム「美団」が発表した「ザリガニ消費ビッグデータ報告」によると、過去1年間で消費者が美団プラットフォームで注文・消費したザリガニは約4万5千トンに達した。また、2018年、ザリガニ料理店の数は前年比約14万店増加、経済生産額は1千億元(1元は約15.7円)を突破した。また、産業チェーン全体で500万以上の雇用ポストが創出され、市場の活況ぶりから、「殻剥き職人」などの新職業の誕生や専門学科の開設といった現象がみられるようになった。工人日報が伝えた。
〇殻剥き職人は1日最多で200匹分のザリガニの殻をむき、月収は1万元以上に達することも
23日午後6時、北京東直門にある「ザリガニ通り」を取材した。まだ日も暮れないうちから、食事をしようと人々がすでに長い列を作り、その列は道路端にまで続いていた。
店内では、河南の農村出身の従業員・華華さんが、ザリガニの殻の正しい剥き方について、客に説明しながら実演していた。顔に笑みを浮かべた華華さんは、慣れた手つきでリズミカルに殻をむいていた。
華華さんは、「店内では定期的に研修が行われており、従業員は全員、ザリガニの殻の剥き方と説明の仕方をマスターしなければならない。料理をテーブルに運ぶ際には、従業員の方から客に対してザリガニの殻の剥き方を実演する必要があるかどうかを尋ねる必要がある。もし、客側から要望があれば、客の食事を楽しむ時間を殻剥きで占められてしまわないよう、テーブルの上のザリガニの殻を全部剥き終えるまで手伝うこともある。夕方6時から午前1時までが来客数のピークで、休日になるとさらに忙しく、水1杯飲む時間すらないほどの忙しさになる」と話した。
お店の郭冬総経理は、「ザリガニ料理のシーズンには、1日最多で約2千人が来店し、1千キログラムのザリガニが消費される。客のニーズを満たすため、弊店では無料でザリガニの殻剥きサービスを提供している」と紹介。
店で働く従業員30人あまりのうち、華華さんと同じ「90後(1990年代生まれ)」が3分の2を占めており、最年少は17歳という。若年化が進むサービスチームは、若者が多い消費者層にもよりマッチしている。1日の労働時間は9時間半で、さらに夜勤シフトもある。楽な仕事ではないが、華華さんは、この仕事にわりと満足しているという。「客との交流が楽しめ、様々な人々に接することができるのが面白い。苦労する覚悟ができていて、サービスレベルも高いなら、1万元の月給を手にすることもできる」と華華さん。