中国で「顔面偏差値経済」が爆発的成長、「顔でめしを食う」若い世代

人民網日本語版 2019年07月22日11:22

シンガポール紙「聯合早報」の報道によると、消費主義の台頭とインターネット産業による後押しをうけ、化粧品や医療美容、フィットネス、美人効果撮影、トレンドファッションなど、個人の外見を高める「顔面偏差値経済」が中国で爆発的に成長している。環球時報が伝えた。

最も直観的な現象は化粧品販売量の急成長だ。中国国家統計局が15日に発表した社会消費財小売データによると、今年6月、中国の化粧品類小売総額は前年同期比で22.5%増となり、伸び率は各カテゴリー商品の中でトップだった。経済成長が全体的に減速している中、このような伸び率は顔面偏差値経済の中国における巨大な潜在力を十分にうかがわせている。

以前、中国では少数の人しか試さなかった医療美容も、より大衆的な消費になりつつある。7月に入ってから、上海や南京などの整形美容市場は夏休みに入った学生たちの消費ピークを迎えている。医療美容で有名な上海公立病院である交通大学医学院付属第九人民病院の皮膚科と整形外科では、診察人数が普段より3割以上増えている。その多くが「95後(1995-1999年生まれ)」や「00後(2000年代生まれ)」で、さらには保護者が10歳前後の子供を連れて整形に訪れるケースもあるという。

コンサルティング会社のフロスト&サリバンの報告によると、昨年中国の医療美容サービス業界の収入総額は1217億元(1元は約15.7円)に達し、2023年には3601億元に達する見通しだ。

容貌の美しさを形容する「顔面偏差値」という言葉は最初にネットで生まれたが、顔面偏差値経済の発展はインターネットによる後押しとも無関係ではない。中国のインターネットでは近年、顔面偏差値をよりどころにして「ネットの人気者経済」が生まれ、若く美しいネットの有名人がショート動画やライブ配信などで人気を集め、フォロワーを購買力へと変えている。ある分析によると、こうした顔面偏差値が高い、人気が高い、高収入といったケースがあることで、一部の若者の間で「顔でめしを食う」や「顔面偏差値が運命を決める」といった考え方がいっそう強まっている。

一方で、中国国際貿易促進委員会研究院国際貿易研究部の趙萍部長は、「インターネットは顔面偏差値経済の発展を促進する手段にすぎない。顔面偏差値経済の台頭は、根本的にはやはり経済レベルと社会文化の変化によって、中国人が美に対する追求を隠さないようになったからだ」と指摘する。趙氏はさらに、「顔面偏差値と関連する商品とサービスの急成長は、経済発展レベルの向上と消費高度化の重要な体現だ。自分の顔面偏差値を上げるために、人々は消費を惜しまず、喜んで消費している」としている。(編集AK)

「人民網日本語版」2019年7月22日 

  

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