第14回G20サミットが先般日本の大阪で閉幕した。サミットは「G20大阪サミット宣言」を採択。各国は自由、公平、無差別で透明性があり、予測可能な安定した貿易及び投資環境を実現し、市場を開放的に保つべく努力することを約束した。現在、中米経済貿易摩擦は世界経済の抱える最も突出し、緊迫した試練の1つだ。中米両国首脳は大阪サミットで、平等と相互尊重を基礎に経済貿易協議を再開することで合意。米側は中国製品に新たな追加関税を発動しないとした。双方間の重要なコンセンサスは世界市場にポジティブなシグナルを送り、国際情勢の推移に安定性とプラスのエネルギーを与えた。(文:河合正弘・環日本海経済研究所所長、アジア開発銀行研究所元所長。人民日報掲載)
筆者は2016年のG20杭州サミットで習近平国家主席が「イノベーション、活力、連動、包摂的な世界経済の構築」を打ち出したことをはっきりと憶えている。筆者はこれに深く賛同する。イノベーション抜きで経済発展は語れない。
開かれた包摂的な環境下でのみ、貿易及び投資規模は拡大し続けることが可能となり、世界経済は穏やかな成長が可能となる。
世界第2の経済大国として、中国はG20の発展に重大な貢献をした。中国が着実な経済成長を実現できるか否かは、世界経済全体の発展見通しに直接関係する。中国は市場経済の発展に力を入れ、このために構造改革を推し進め続けている。この事自体が多大な貢献だ。中国経済を長年観察している者として、筆者は合理的な財政・金融政策を実施することで、中国は現在の経済成長率を維持できると考える。