日本でもモバイル決済は普及するか 普及を阻む4つの原因

人民網日本語版 2019年03月13日10:37

現在、中国人の暮らしの至るところでスマホ(スマートフォン)を手放せない。だが、中国人観光客が日本に行って気づくのは、中国でのようにスマホを使ってスムーズに決済できないことだ。日本ではフィーチャーフォン(ガラケー)を使う人もまださくさんおり、安倍晋三首相もこのほど衆院予算委員会で、「私はスマホを持っていない」と明かした。「光明日報」が伝えた。

実際、日本社会では中国で急速に進む「キャッシュレス化」に驚きの声が広がっている。日本メディアは、「中国はスマホを基礎に、顧客にさまざまな新サービスを提供しており、サービスの数量も規模も世界トップレベルだ。一方で、日本では、携帯電話の応用サービスが普及していないため、中国のように便利にオンライン配車、シェア自転車、フードデリバリー、宅配便などのサービスを利用することはできない」と報道した。

▽モバイル決済が日本で急速普及できないさまざまな原因

今の中国では、スマホなどによって実現したモバイル決済がすでに「生活インフラ」になったが、先進国の日本では普及していない。日本銀行(中央銀行)が行った調査によると、モバイル決済利用率は日本がわずか6%に対し、中国は98.3%となっている。日本でモバイル決済が普及しない原因は多方面に及ぶ。

第1の原因は、日本社会は新しい物事を受け入れるのに相対的に時間がかかり、新しい技術や方法などがなかなか順調に普及しないことだ。新しいサービスが登場しても政府や企業など複数の機関によるたくさんの煩雑で複雑なプロセスを経なければ普及拡大できず、効率が低く、さまざまな原因で流れが止まってしまう可能性がある。モバイル決済の中国での発展プロセスは日本よりずっとスムーズで、たどってきたプロセスの違いがモバイル決済のような革新的サービスの境遇を中日で異なったものにしている原因だといえる。日本は「失われた20年」に陥った後、いまだに泥沼の中から抜け出せず、同じ場所で足踏みしているが、中国は多くの点で「カーブでの追い越し」を達成した。スマホの普及とスマホにより提供される新サービスモデルがその好例だといえる。

第2の原因は、日本国民が個人のプライバシーを非常に重視し、資産情報や個人情報を信頼度のそれほど高くない企業に「明かしたくない」と考えていることと、モバイル決済にセキュリティ面で懸念を感じていることだ。そこで日本国民がモバイル決済のセキュリティ性能を徹底的に知ってもらい、その懸念を解消することが、モバイル決済を日本でスムーズに発展させるためのカギになる。

第3の原因は、現金払いが日本人に根付いていること、スマホが日本では十分に普及していないことだ。日本では現金への依存度が高い人が多く、クレジットカードですら完全に普及しているとは言いがたい。大規模なショッピングセンターや大手チェーンのコンビニエンスストア、星がつくホテルを除き、多くの店舗はいまだに現金しか受け取らず、カードが使えない。日本社会は消費者が現金で支払い、店側が現金を受け取るというやりとりでバランスが取れている。消費者が現金でいいというなら、多くの小規模資本の店舗がカードなどの決済方法に対応しないのは当然のことだ。カード決済にすると、店舗から決済会社へ3.25〜6%ほどの手数料を支払わなければならないのだ。

第4の原因は、人口高齢化がモバイル決済の発展を制約していることだ。日本は高齢化がますます深刻化し、それによってもたらされた人手不足という客観的状況が関連サービスの発展を直接制約している。デリバリーサービスを頼もうと思ったとしよう。中国ならスマホで簡単にできるが、日本では注文サービスを提供するソフトウェアがあったとしても、配達員の人件費が高く、「注文は簡単だが、配達が困難」という状況になる。これも日本のモバイル決済が中国ほどスムーズに発展しない原因だ。

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