中国航空数社がボーイング737-8購入 今年と来年は引き渡しのピーク

人民網日本語版 2019年03月12日15:29

昨年10月と今月10日に2回続けて起きた航空機墜落事故はいずれも米国ボーイング社の「ボーイング737マックス8」機だったことから、中国民用航空局(民航局)は11日午前に通知を出し、中国国内の航空会社に2019年3月11日午後6時まで、ボーイング737-8機(737マックス8)の商業運航を一時停止するよう要請した。「証券時報」が伝えた。

中国の複数の航空会社が、現在運航中のもの以外にも、737-8のさらなる購入計画を公告で明らかにしており、2019年と20年に引き渡しのピークを迎える見込みだ。航空会社関係者は、「引き渡し時期が遅れる可能性はあるが、全体としていえば、マックス8は新機種であり、737にはいろいろな機種があるため、運航が停止されても、機体のやりくりや航空会社への影響はそれほど大きくない」と述べた。

市場の様子をみると、11日の中国A株市場では航空会社の株価が全体的に安定し、小幅に上昇したところもあったが、ボーイングは米国市場で10%値下がりし、時価総額200億ドル(約2兆2280億円)が蒸発した。

▽同型96機が運航中

ボーイング737シリーズはボーイング社が製造する中短距離用の双発ジェット機で、誕生から50年間にわたって売れ続けており、民間航空の歴史の中で大成功したナローボディ機シリーズの1つといえる。18年4月までに世界中の顧客に約1万機が納入され、受注量は約1万5千機に達し、世界的に大成功した旅客機シリーズでもある。

737マックス8はボーイング社が21世紀に打ち出した新型機で、16年に初飛行が行われ、17年に商業運航がスタートした。

ボーイング社の公式サイトの説明によると、737マックスはボーイングの歴史の中で最も販売ペースの速い機種で、これまでに世界の顧客100社からの4700機を超える注文が確定した。ボーイング社は17年11月3日に米シアトルで中国国際航空に第1号機を引き渡した。

現在、中国で運航する737マックス機はいずれもマックス8シリーズだ。民航資源網のデータでは、中国航空会社が運航する737マックス機は現時点で96機あり、中国南方航空が24機、中国国際航空が15機、海南航空と上海航空がそれぞれ11機、厦門(アモイ)航空が10機、山東航空が7機、深セン航空が5機、中国東方航空と祥鵬航空がそれぞれ3機、奥凱航空と福州航空がそれぞれ2機、九元航空が1機となっている。

航空会社の専門家は、「民航局の言う737-8と737マックス8は同型機で、最新の機体だ。だが737機は種類がいろいろあり、たとえば737-800はマックス8とは同型ではない。運航中のマックス8の割合は低く、注文したが引き渡しはまだという航空会社も多い。よって今回は機体のやりくりはなんとかなり、当該機はすぐに運航を停止できる。また737にはいろいろな機種があり、そのほとんどが安定した運航状態を保っている」と述べた。

▽多くの機体が引き渡しの途中

データによると、11日午後8時30分現在、中国の航空会社が737マックス8機を使用して運航する予定の定期便は355便、路線は246本ある。このうち256便は機体を変更して運航され、主にボーイング737NG機が使用されていたという。運航中止は29便、残りの便はどうするか確定していない。空港への影響をみると、深セン、広州、烏魯木斉(ウルムチ)の各航空を出発する約30便が影響を受けた。上海虹橋国際空港と昆明長水国際空港は737マックスでの運航を予定していた便は約20便、重慶、南京、北京、アモイ、成都、福州などの空港からも737マックス8での便が出発する予定だった。

これまでに出された上場企業の公告から、737-8に関するより多くの情報をうかがうことができる。

17年10月、南方航空はボーイング777-300ERを8機と737-8を30機、それぞれ購入する契約を結んだ。737-8機の公開市場価格(ボーイング社の15年7月時点の目録価格に基づく)は1機あたり約1億370万ドル(約115億5千万円)で、納入時期は19年と20年になる。

18年3月、南方航空は子会社のアモイ航空が737-8を20機と737-10を10機、それぞれ購入する契約を結び、引き渡し時期は19年、20年、21年になると発表した。

東方航空の18年半期決算によると、同航空はまだ保有する737マックス8はなく、ファイナンスリースの形で10機が運航中という。

海南航空が11日午後に発表したところによると、同航空は現在737マックス8を11機運航し、民航局の通知の要請に基づいてしばらく同機種の運航を停止し、影響を受ける定期便への保障も行ったという。

複数の業界関係者が、「このたびのエチオピア航空の事故と中国民間航空産業への影響については評価を待つべきだ。短期的には機体のやりくりや定期便にいくらか影響が出ることになるが、事故の最終的な原因や影響については、ボーイング社の調査が終わらなければ結論を出すことはできない」との見方を示す。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年3月12日

  

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