今年12月1日は31回目の「世界エイズデー」。中国疾病予防コントロールセンター(CDC)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)、世界保健機関(WHO)が共同で取りまとめた内容によると、2018年末時点で、中国におけるHIV生存感染者数は約125万人に達すると予測している。2018年9月末の時点において中国全土で報告されたHIV生存感染者数は85万人、死亡者数は26万2千人。ここ数年、年間で約8万人が新たに感染しているとしている。総人口における感染率は1万人あたり9.0人で、国際基準に照らし合わせると、他の国と比べ、中国のHIV感染状況は、「低度の流行」に該当するレベルだが、その分布には地域差が見られるとしている。主な感染ルートは性的接触によるもので、2017年に報告された感染者のうち、異性間の性的接触による感染は69.6%、男性同士の性的接触による感染が25.5%をそれぞれ占めた。中国青年報が伝えた。
〇実績:輸血による感染拡大はほぼ根絶、母子間感染は効果的に抑制
国家衛生健康委員会疾病コントロール局の王斌・副局長は、記者会見において、「長年にわたる努力が実を結び、中国におけるHIV予防コントロール政策は日増しに改善され、『政府による組織・指導、各部門による責任負担、全社会による共同参与』という業務体制が確立された。予防・治療のための経費は年々増加しており、サービスネットワークは一層完備され、科学技術によるサポートはさらに顕著化し、予防コントロール事業は卓越した効果を上げている」とし、以下のような具体的な説明を行った。
(1)輸血による感染ルートをほぼ遮断。臨床用血液に対する核酸増幅検査(NAT検査)」の徹底実施が実現し、輸血または血液製剤の使用による感染例はほぼ皆無となった。
(2)注射による薬物使用が原因となる感染を効果的に抑制。薬物維持治療や清潔な注射針使用・交換などの予防コントロール措置を徹底したことで、2017年に報告された注射針の共有によるHIV感染者数は2012年比44.5%減少した。また、薬物依存症からの回復を目的とした薬物維持療法を受けている患者のHIV感染率は、2012年の0.2%から2017年には0.03%まで低下した。
(3)母子間感染も効果的に抑制。HIV母子間感染予防コントロール事業の全面的・徹底的な実施によって、HIVの母子間感染率は、2012年の7.1%から2017年には4.9%まで低下し、過去最低レベルとなった。
(4)検査による感染者の発見率が引き続き向上。検査方針を拡大し、検査対象者数は2012年の延べ1億人から2017年には延べ2億人に増えた。
(5)抗HIV治療事業に顕著な効果。抗HIV治療を受けた人数は、2012年の17万1千人から2017年には61万人まで増加、2017年のHIV感染者に対する治療率は80.4%に達し、治療成功率は90%以上を維持している。
(6)抗HIV治療をめぐる社会環境が引き続き改善。
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