日本貿易振興機構(JETRO)理事長会見が29日、東京で開催され、同機構の石毛博行理事長が「『ジェトロ対日投資報告2018』発行~イノベーション創発に寄与する外資~」と題した報告を行い、3つのポイントに分けて説明した。同会見には多くのメディアの記者たちが出席した。人民網が伝えた。
堅調に推移する対日直接投資
石毛理事長は対日直接投資について、「2017年末の対日直接投資残高は28.6兆円で、4年連続で過去最高を更新した。地域別では唯一、北米の対日投資残高が前年比で縮小した。一方で、アジアの対日投資残高は2000年比で10.3倍に拡大し、欧州、北米に次ぐ対日投資の担い手に急成長した」とした。
また、アジアからは、LCC(格安航空会社)による日本の地方都市への定期便の新規就航、キャッシュレス決済サービスなどのインバウンド関連事業、越境EC運営企業による調達拠点の設置に加え、新たなサービス形態の一つであるシェアリングエコノミー分野での投資が拡大している。
2017年度のJETROの対日投資誘致成功件数は193件で過去最高となった。うち、投資元として存在感を増すアジアの件数は5割超となり、アジアの対日投資は今後も拡大を続けることが予想されるという。
「イノベーションを生み出すエコシステム」に外資が本格参入
石毛理事長は、「イノベーションの担い手であるスタートアップの日本におけるエコシステムに外国企業が相次いで参画している。外資系のコワーキングスペース、アクセラレーター、ベンチャーキャピタルなどが海外での豊富な経験に基づき、日本の創業環境に寄与しており、スタートアップの成長に必要なノウハウの提供、新たなビジネス・イノベーションを生む機会の提供などを実施している」と続けた。
日本市場における外資の積極的な姿勢
さらに、石毛理事長は、「JETROの在日外資系企業向けアンケート調査によると、7割以上の企業が日本を収益性の高い市場と評価した。OECDのレポートによると、日本はサービス業で1位の投資リターンとなっている。また、約7割の企業が投資拡大・雇用拡大に意欲を示しており、さらに、投資拡大に意欲的な企業の過半数が日本企業に対するM&Aに関心を寄せている」と述べた。(文・木村雄太)
「人民網日本語版」2018年11月30日
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