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25年万博開催で日本の関西地域に2.6兆円の経済効果

人民網日本語版 2018年11月29日13:49

このほどフランス・パリで開催された博覧会国際事務局(BIE)総会で、2回の投票を経て、日本の大阪がアゼルバイジャン、ロシアとの競争に勝利し、2025年国際博覧会(万博)の開催地に決定した。日本での3回目の万博であり、大阪では55年ぶり2回目の開催になる。日本は大阪万博が20年東京五輪後の日本経済の発展を引っ張る新たなエンジンになると期待を寄せる。万博のテーマはすでに決まっているが、経費負担の調整や運営プラン、経済効果をめぐって、日本各界では議論が起きている。「経済日報」が伝えた。

大阪の25年万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。会場は大阪湾の人工島・夢洲が予定され、敷地面積は155ヘクタールにおよび、世界最新の科学技術、イノベーション構想を展示して、人類の健康的な新しい生き方を探る実験場になる見込みだ。現在、大阪をはじめとする関西地域は生命科学や再生医療の分野で世界トップレベルにあり、日本は健康というテーマを中心に、仮想現実(VR)、モノのインターネット(IoT)、情報通信(ICT)などの先端技術を通じて会場の中と外をつなぎ、日本の優位性を紹介し、日本企業の世界進出に向けた新たなビジネスチャンスを創造しようとしている。

試算によると、万博は来場者2800万人が見込まれ、インフラ建設、観光消費などの発展を促すことから、関西地域に2兆6千億円の経済効果をもたらすとみられる。日本の菅義偉内閣官房長官は、「大阪万博が日本経済の発展を促す新たなエンジンになることを期待する」と述べた。日本経済団体連合会の中西宏明会長も、「万博が日本経済の持続的な成長に大いに寄与すると確信している。一方で、現地自治体も万博を契機に関西で建設が予定される統合型リゾートの知名度が上がることを期待している」と述べた。

開催地が大阪に決まると、投資や経済効果が日本各界の議論の的になった。今回は会場建設費として約1250億円、運営費用として820億元が見込まれる。さきに達成した合意では、建設費用は日本政府、地方自治体(大阪府、大阪市)、現地経済界が負担することになっている。また大阪市は企業と共同で市街地から会場までの鉄道や道路などのインフラ建設に出資することを約束しており、730億円の投資が見込まれる。しかし、民間の負担とした400億円は具体的な配分計画ができておらず、大阪商工会議所の関係者は、「まずプロジェクトの内容を確定すべき。プロジェクトがどうなるかわからないのにカネを出せと要求するのは適切ではない」と話す。

次のような見方もある。予定される1250億円の建設費用は05年の日本国際博覧会(愛知万博)のデータから算出したものだが、人件費や資材価格の値上がりを考えると、これでおさまるのかどうか懸念されている。東京五輪のインフラ建設プロジェクトはまだ完了していないが、経費支出は当初の予算より60%も超えている。そして開催地に立候補して大阪と争ったフランスが財政負担の重さから途中で辞退したこともあり、関西経済界は不安の色を隠せない。日本政府は官民一体で万博を建設・組織するとしており、05年愛知万博の開催時にはトヨタ自動車が建設費用の大部分を請け負ったという先例もあるが、関西経済界の関係者は、「今は経済の高度成長期とは違うし、万博の経済効果には限界があるし、企業の投資能力もかつてほどではない」と話す。10年の上海国際博覧会(上海万博)は来場者が7千万人を超えたが、これ以外の最近の万博はどれも2千万人前後にとどまる。00年のドイツのハノーヴァー万国博覧会は入場券収入が少なく、約10億ドル(約1134億円)の赤字を出し、最終的に国と地方自治体が補填せざるを得なかった。

日本の高度成長期に開催された1964年の東京五輪と70年の大阪万博は、確かに日本経済の発展の牽引に寄与した。だが、今の日本は高速道路や鉄道、空港などのインフラがすでに飽和状態にあり、大型イベントの経済効果も減少し始めている。大都市で開催される国際的イベントが地方経済に好材料をもたらすかどうか。これは日本社会が考えるべき重要な問題だ。(編集KS)

「人民網日本語版」2018年11月29日

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