中国で改革開放が実施されてから40年間で、上海の女性たちは、その暮らしや家庭、職場などでどのような変化を経験してきたのだろうか?上海市婦女聯合会と上海社会科学院社会学研究所がこのほど共同で発表した「改革開放40年女性発展調査研究報告」は、ビッグデータを解析してこうした疑問に答えている。中華網が報じた。
上海女性の初婚年齢上昇し、未婚の若い女性の割合が急上昇中
他の都市と比べると、上海の男女の平均初婚年齢の上昇ペースは全国のペースを上回っている。また、女性の初婚年齢の上昇幅が男性を上回っている。2015年の時点で、上海の男女の平均初婚年齢は、30.3歳と28.4歳。05年と比べると、5.0歳と5.4歳、10年と比べると、1.5歳と1.9歳、それぞれ上昇した。15年、上海の女性の初産年齢は29.0歳で、西洋の多くの先進国を上回り、欧州連合(EU)の平均水準と肩を並べた。05年と15年の既婚者の割合を比べると、既婚の女性の割合は、各年齢層とも右肩下がりとなっている。例えば、25-29歳の減少幅は11.5%、30-34歳は7.6%となっている。つまり、過去10年間、若い男性の結婚状況はそれほど変化していないものの、若い女性は大きく変化したということだ。
上海女性の平均寿命は全国平均を6歳上回る
近年、上海の女性と男性の平均寿命が右肩上がりとなっている。改革開放実施から40年間、上海の女性の平均寿命は78年の74.8歳から17年には85.9歳と、11.1歳も上昇した。全国平均と比べると、約6歳上回っている。
「女性は家庭がメイン」と考える人が逆に増加
女性の経済や教育の面における社会的地位も向上しているものの、家事の負担はそれほど変化しておらず、女性は仕事と家事を両立させなければならない。90-10年の間に3度行われた女性の地位をめぐる調査の結果を比較すると、「男性は『社会』がメインで、女性は『家庭』がメイン」という考え方について、「賛成」と答えた男性と女性両方の割合が増加している。そして、「全く賛成できない」という答えた女性の割合も、90年の45.2%から00年には24.5ポイント下降し、10年にはさらに5.2ポイント下降。大幅に減少した。一方、「心から賛成」との回答は90年の2.6%から10年には7.2%に上昇した。
「二人っ子政策」実施で「男性優先雇用」が深刻化
第13次五カ年計画(2016‐20年)期間中、上海の女性の就業状況は全体的に安定しており、都市部と農村部で就職中の女性の割合は約40%を維持している。ただ、地域によって差があり、最新の統計によると、17年、上海の都市部と農村部の女性の就職率は40.3%であるものの、9区の割合が40%未満で、最低は26.5%だった。その主な原因の一つに、出産をめぐる政策が調整されたことが挙げられる。特に二人っ子政策が全面的に実施されて以降、女性の家庭での負担が大きくなった。そのため、雇用先の「男性優先雇用」という目に見えにくい差別が深刻化し、女性は労働力市場において新たな問題に直面している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2018年11月28日
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