第13回G20サミットが11月30日から12月1日までアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催される。サミットは「公正で持続可能な開発のための合意形成」をテーマに、世界経済、貿易と投資、デジタル経済、持続可能な開発、インフラ、気候変動などの議題を主に話し合う。新華社が伝えた。
■多国間主義を維持
G20は2008年に世界金融危機の激化を背景に会議を首脳レベルに格上げし、その後、世界の自由貿易の促進、保護主義の防止に尽力してきた。ブエノスアイレス・サミットを前に各方面は多国間主義を維持する立場を重ねて表明し、サミットが多国間主義への支持を打ち出すことを期待している。
アルゼンチンのG20シェルパ(首脳の補佐役)であるビジャグラ氏は「アルゼンチンは多国間主義と貿易自由化の力強い支持者であり、世界貿易機関(WTO)を中心とする多角的貿易体制を断固として守っており、多国間協力こそが世界経済の繁栄を促進できると堅く信じている」とする。
国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)のアリシア・バルセナ事務局長は「今回のサミットは保護主義の台頭、貿易摩擦の多発など現代世界の試練に対処する良い機会だ。各構成国が多国間主義への支持という力強いメッセージを発することを期待する」と指摘する。
米クーン財団のロバート・クーン会長は「貿易の開放は途上国にも先進国にも利益をもたらしてきた」と指摘。今回のサミットでは世界貿易の開放維持を求める声が挙がると見る。
■各国の共通認識を形成
英48グループ・クラブのスティーブン・ペリー会長は「協力を強化してのみ、誤解を解消し、共同発展を実現することができる」と指摘する。
協力の前提となるのが各国の共通認識だ。ブラジル外務省で経済・金融を担当し、ブラジルのG20シェルパを務めるロナウド・コスタ氏は「国際経済が試練に直面し、不確定性が増す中、多国間調整メカニズムの確保はとりわけ重要だ。ブラジルは今回のサミットに強く期待し、共通認識の形成を望んでいる」とする。
ロシア国民経済・国家サービス研究所国際制度法規研究センター長のマリーナ・ラリオノヴァ氏は「今回のサミットが国際金融市場のコントロール、国際金融システムの改革、インフラ整備への投資と支持、イノベーション開発事業などの議題を重点的に議論し、広範な共通認識にいたることを希望する」「G20構成国は今回のサミットでWTOルールの遵守という共通の決意を表明してもらいたい」とする。
バルセナ氏は「貿易問題は今回のサミットの大きな重点であり、WTO改革の問題が議論されることは間違いない」と指摘。「より実効性ある貿易紛争解決制度の構築、先進国と途上国の均衡ある発展などは極めて重要だ」とする。
■中国の役割に期待
中国は世界第2の経済大国であり、新興国及び途上国でもあり、一貫して多国間主義と自由貿易の維持に尽力し、公正で持続可能な経済グローバル化を後押ししてきた。今回のサミットでは中国の発言と役割が大いに期待されている。
英ケンブリッジ大学教授で中国専門家のアラン・バレル氏は「中国は2年前、G20杭州サミットの開催に成功した。中国はブエノスアイレス・サミットで引き続き重要な役割を発揮し、グローバル化の構想をさらに多くもたらすと信じる」とする。
ラリオノヴァ氏は「中国は2016年にG20杭州サミットを主催し、世界経済の成長推進について『杭州コンセンサス』を形成した。杭州サミットの成果は2017年のハンブルク・サミットで再確認された。これにはG20の枠組で多国間制度を強固にし、世界の多極的発展を推進するための中国の貢献が含まれる。こうしたコンセンサスがブエノスアイレス・サミットで再確認され、継続されることを希望する」とする。
今回のサミットは中南米で開催される。中南米諸国は対中協力の一層の深化への期待にも満ちている。
バルセナ氏は「中国は自らの発展を図る過程で、他国との協力を望み、共同発展を追求している。中南米諸国はこの点をすでに目にしており、中国との一層の関係緊密化、経済・貿易関係強化の意向を日増しに強めている」とする。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年11月27日
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