北京地下鉄はこれまでずっとビジネスの「後進地」とみなされてきたが、最近は新小売業態が進出するようになった。地下鉄駅構内を歩いてみて気づくのは、今大人気の無人売店がここにもネットワークを広げ始めたことで、昔からある自動販売機とは別の、北京地下鉄ビジネスにおける新小売の新たな挑戦を展開している。「北京商報」が伝えた。
地下鉄駅を取材したところ、魔盒CITYBOX無人売店が徐々に進出していることがわかった。蒲黄楡駅の構内では、無人売店と以前からある自販機が一緒に並ぶが、固定されたコイン投入口を備え、飲み物しか扱わない自販機と異なり、魔盒の無人売店は主にカスタードケーキ、ポテトチップ、ハムソーセージなどのおやつ・軽食類を販売し、SKU(在庫管理の単位)は13ある。消費者は支付宝(アリペイ)や微信(WeChat)で登録と紐付けを済ませると、QRコードを読み取って売店のドアを開け、商品を選ぶことができる。店を出てドアを閉めると、会計は自動的に終了する仕組みになっている。
上海市や杭州市に比べ、北京の地下鉄ビジネスはこれまで豊富とは言えなかった。だが、今年初めに北京市地下鉄運営有限公司の謝正光会長が取材に述べたところによれば、「北京の地下鉄は乗車サービスだけでなく、さまざまな付加価値サービスを検討し導入しており、これには各種の新ビジネス業態が含まれる」という。今年10月に北京市商務局(前身は北京市商務委員会)、北京市発展改革委員会など7機関が共同で発表した「コンビニエンスストアの発展のさらなる促進に関する若干の措置」でも、コンビニ業態の発展の可能性を開拓し、ネットワーク配置を最適化することが打ち出され、今後は地下鉄駅にもコンビニチェーンブランドを導入することができるとした。
限られた面積で小規模ながら、管理コストが相対的に低い無人売店は、地下鉄ビジネスの空白をある程度埋めることになるのは確実だ。すでにファミリーマートが上海の店舗を中心に、地下鉄駅にスマート商品棚を設置する実験を始めている。
北京商業経済学会の頼陽常務副会長は、「これまで北京地下鉄駅は乗客の流れが多い時に商業施設があると通行の妨げになる、乗り換えの効率が下がる、安全上問題があるなどとして、ビジネス配置が十分に行われてこなかった。しかし、地下と地上の便利なサービスに対する消費者のニーズがますます旺盛になり、特に若い消費者はコンビニ、総合型サービス施設などを通じて公共交通ターミナルで発生した緊急のニーズが満たされることを求めている。そこで、消費ニーズの転換に合わせるため、地下鉄で各種の便利なビジネス施設の実験を進めることがやはり必要になる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年11月28日
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