中国科学院地理科学・資源研究所(以下、同研究所)と世界自然保護基金(WWF)はこのほど、「中国都市部外食産業食料浪費報告書」を発表した。同研究所の王霊恩博士は、「初歩的な推算によると、2015年の中国都市部外食産業における食卓で無駄になった食料の重量だけでも1700−1800万トンに達した。これは3000−5000万人の1年間の食料の量に相当する」と述べ、この5年間の研究成果を発表した。経済日報が伝えた。
同研究所の成昇魁研究員が率いるチームは2012年より、北京市・上海市・成都市・ラサ市の366ヶ所の飲食店で大量の実地調査を行った。それによると、中国外食産業における1人あたりの無駄になった食料の平均重量は1食当たり93グラムで、浪費率は11.7%。大規模飲食店や観光客、小中学生、接待による食事などが、外食産業における無駄になった食料が発生する「重度被災地」となっている。
王氏は、「大規模飲食店ほど注文する量が多く、1人あたりの無駄になる食料の平均重量も驚くべきものとなる。一部の小規模飲食店、特にファーストフードの無駄になる食料の重量は非常に少ない。無駄になる食料の内訳を見ると、野菜の割合が最も高く、果物や乳製品が低めとなっている。これは物価が主に関係しているとみられている」と指摘した。
またこの調査によると、無駄になった食料にはその顧客グループやシーンによって大きな特徴があるという。例えば観光客の1人あたりの無駄になる食料の平均重量は1食当たり103グラムで、現地の一般の人を上回る。友人との食事や接待などの公的なシーンにおける食料の無駄も多めだ。王氏は、「これはメンツやその他の目的が無駄を引き起こしている」と分析している。
成氏のチームによるこの研究は、国家関連当局から関心を集めており、政府や消費者、業界組織、外食企業などが、着実に食料の無駄を減らすためいかに行動すべきかを考え始めている。WWF市場プロジェクト担当者の金鐘浩氏は、「農家が苦労して一生懸命作り上げた作物であるという認識だけではまったく不十分だ。社会各界の力を動員し、共に問題に対処する必要がある」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年3月29日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn