国内生産量が1億トン弱に達し、世界生産量の8割以上を占めるサトウキビだが、その複雑な遺伝背景により起源の謎が解明されておらず、発展が制限を受けている。中国とドイツの科学者はこのほど、サトウキビのゲノムマップを作成し、この重要作物の種の起源と歴史を明らかにし、倍数体複雑ゲノム分析の先例を築いた。同成果は21日、世界的に有名な学術誌「ネイチャー・プランツ」に掲載された。人民網が伝えた。
同成果は上海辰山植物園と中国科学院上海植物生理生態研究所が、ドイツのマックス・プランク分子遺伝学研究所及び分子植物生理研究所の科学研究チームと協力して得たものだ。同論文の筆頭著者は上海辰山植物園の楊俊博士。
楊氏によると、サトウキビのゲノムには約4億4000万個の塩基対があり、1個当たりのサイズは700−800Mbの間。ハイスループットシーケンシング技術は近年、日進月歩の発展を遂げているが、倍数体ゲノムの解析は依然として大きな課題に直面している。同研究は圧倒的多数のゲノムを対応する染色体上に位置づけ、さらに新しい生物情報学の方法により、6倍数体の6組の染色体を切り離した。これによって、サトウキビの90本の染色体のうち30本が2倍数体の祖先の種からのものであり、残りの60本が4倍数体の祖先の種からのものであることが分かった。約50万年前、両者間の一度の交配により、今日の重要な作物が生まれた。この発見はサトウキビの起源の謎を解明し、サトウキビ近縁野生種の合理的な利用に斬新な発想をもたらした。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年8月22日
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