だが東京の街角ではシェア自転車の大群を見かけることはない。より重要な原因は、孫氏のシェア自転車が高いことでも、駐輪場が見つけにくいことでもなく、孫氏も直面する最もやっかいな問題で、事故が起きた場合に損害賠償をどうするかということにある。
日本で企業を運営する場合、まずサービスを打ち出し、手探りで少しずつ進み、問題があれば解決方法を探すというやり方はできない。初めに十分に考えをめぐらし、あらゆる準備をしてからでなくてはだめだ。東京で中学生の乗る自転車が高齢の女性にぶつかったことがある。その結果、裁判で中学生の家族に1億円を超える賠償金の支払いを命じる判決が出た。シェア自転車に法律問題や賠償問題がしばしば起きたなら、孫氏がアリババへの投資で手にした資金のおそらく大部分がシェア自転車の賠償に回ることになる。
総じていえることは、日本の大都市は中国の大都市と多くの点で似ているが、公共空間の管理や事故の賠償をめぐる法律という点では中国よりかなり厳格で、あまり融通がきかず、このことがシェア自転車の日本での歩みを困難にしているということだ。
日本の友人が北京でシェア自転車を体験した感想はこうだ。「日本のようにたくさん制限がないので、とても便利だった」。だがもう一方では、制限がなければ、「無計画な成長」をもたらし、利用者や社会に悩みと課題を突きつけることにもなる。
中日で異なるシェア自転車の状況から、両国社会の集団心理の違いが浮かび上がる。中国人は便利さと利益を重視し、日本人は秩序を守ることをより重視する。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年6月7日
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