▽経済活性化策 なぜ不発?
みたところ、日本政府の経済活性化のための一連の財政措置はそれほど効果を上げていない。過去20年間、国の借金は大幅に増加し、対GDP比はかつての60%から上昇の一途をたどった。国際通貨基金(IMF)の報告書によれば、日本の政府債務残高の対GDP比は今や229%で、主要先進国の中で債務負担が最も重い。この政府債務の対GDP比は、政府の債務残高が国の経済規模に対してどれくらいの割合を占めているかを示す指標で、数字が高くなればなるほど、危険度も高くなる。
銀行のバランスシートは日本国債でいっぱいで、銀行の貸付業務を抑制し、小規模企業や新興企業の発展を阻害している。日本では長期にわたり預金の低金利が続き、投資のチャンスが損なわれ、デフレは進行し、預金に頼って暮らす高齢者のリスクに対する嫌悪感を高め、悪循環を招いている。
日本政府が掲げる物価目標に合わせて、日銀の黒田東彦総裁は13年3月の就任早々、大規模な金融緩和政策をうち出した。アナリストは、「目下の状況から考えて、金融緩和政策による経済活性化効果ははっきりせず、銀行の貸付の伸びは力不足に陥り、それでもまだ資金は企業に流れ込んでいない」と分析する。
張研究員は、「日本経済の根本的な問題は流動性にはなく、企業の投資への積極性の低さにある。円安で、日本市場は相対的に飽和状態にあり、有効な投資の駆動力を欠き、銀行の貸し付けは低迷し、経済は活力を失っている」と述べる。また米ピーターソン国際経済研究院のアダム・ポーゼン所長も同じように、「日本が新たにうち出した経済活性化プランが期待と反対の結果になるのは、このプランが長期的コストを増大させるからで、結局のところ日本が直面する真の問題を解決しないからだ」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年7月30日
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