日本の麻生太郎財務大臣は5月、日本の対外資産残高は2015年末時点で、前年比0.7%増の約948兆7300万円にのぼり、7年連続で記録更新を続けていると発表した。これは日本企業による海外企業の買収といった直接投資、機関投資家による証券投資の増加によるものだ。
日本の国内総生産(GDP)は国民総生産(GNP)を大きく下回るという、特殊な現象が生じている。日本は国内で「失われた20年」を経たが、海外で「隠れた日本」を作り出したとされている。
しかし上海外国語大学国際関係・公共事業学院の教授で、学術誌「国際観察」の編集長である武心波氏はこのような意見には賛同しておらず「日本の膨大な対外資産は、何も特別なことではない。これは日本の世界産業構造における地位によるものだ。日本国内では経済モデルチェンジが完了しており、グローバルな展開を開始している。対外資産が多いのは、日本経済のグローバル化が進んでおり、世界経済の重要な一部になっているからだ。これを過大視する必要はない」と語る。
そして「ドイツも高い製造力を持つ国で、ドイツ製品は世界中で消費されている。そのためドイツの生産拠点は国内ではなく、世界に展開しなければならない。中国もそうだ。いつか中国の対外資産は日本を超え、世界一になるだろう」とした。
日本とその「失われた20年」については、次のように説明する方が正確かもしれない。日本は冷戦時代の非常に有利な発展環境を失い、経済成長率も中等強国の正常な水準に戻った。社会・経済構造の積極的な改革が問題に直面しており、短期間内の大きな効果も期待できない。しかし日本は技術革新を重視し、先端製造業に力を入れ、対外資産が増加している。これは今の日本経済に良い所がまったくないわけではなく、むしろ私たちの見えない所で相当な実力を蓄積している可能性がある。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年7月4日
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