28兆円もの財政措置だが「民心を得ていない」。そのことは鉄道の巨大スーパープロジェクトの不評に象徴されている。用途別にみると、21世紀型インフラ整備にかかる経費は8兆3千億円に上る。
そのうち、今後3年以内にリニア中央新幹線の延伸計画の前倒し完成を目指して3兆円が投入される計画だ。また整備新幹線の建設加速に8千億円を投入する計画もある。日本国内ではこうした計画が最終的に投入予定の予算内で収まるのかどうか、疑問の声が終始聞こえている。
東京と大阪を結ぶリニア新幹線は、時速500キロメートルの新記録を達成し、首都圏、中部圏、関西圏を一体化する見込みだ。だがこうした巨大な都市圏誕生の誘惑に魅力を感じない人は多い。魅力を感じるどころか、首都圏、中部圏、関西圏が完全に一体化すれば、需要の多くが東京というブラックホールに吸い込まれ、名古屋や大阪は地方の中心都市としての役割を失うのではないかとの懸念が広がる。
巨大都市圏のリニア新幹線ができても、需要減少という現実を回避するわけにはいかない。現在の日本は人口構成が急速に高齢化し、人口が減少を続けている。リニア工事は2期に分けて行われ、第1期は2014~27年で東京~名古屋区間を建設し、第2期は27~45年で名古屋~大阪区間を建設する。プロジェクトが完了した頃の日本の人口は、現在の1億2600万人から1億人以下に減少することが予想される。
またリニア新幹線が歓迎されないもう一つの問題は駅の少なさ、乗り換えの不便さだ。リニア新幹線は経費節減のため、沿線の都府県に1つずつしか駅を設置しない。これでは沿線各都府県の需要掘り起こしは難しく、リニア新幹線は今ひとつ盛り上がりを欠くことになる。より重要なことは、リニア新幹線の消費電力は東海道新幹線の3倍から4倍にもなるということだ。
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