英国のスワイア外務閣外相の南中国海問題に関する発言について、外交部(外務省)の華春瑩報道官は20日の定例記者会見で「事実を顧みない発言であり、強い不満を表明する」とした。
報道によると、スワイア英外務閣外相は18日にワシントンの戦略国際問題研究所で講演した際、南中国海の緊張は中国の強行的行動によってもたらされたものであり、ハーグの仲裁裁判所による仲裁は中比双方に対して拘束力を持ち、英国は米国と共に仲裁の裁決を支持するとした。
華報道官はこれについて「スワイア氏の発言は事実を顧みず、差別と一方への荷担に満ち、特定の立場を取らないとの英側の約束に深刻に背くものであり、われわれは強い不満を表明する」と指摘。「いわゆる『南中国海の緊張』は完全に米比が各々の政治的目的から連携して演じている『二人羽織』だ。毎年南中国海を各国の船舶10数万隻が無事に通過している。唯一異なるのは米国の軍用機や軍艦の出動が頻繁かつ大げさになっていることだ。一昨日にも駐比米大使はフィリピンに偵察機と4200万ドル相当の軍事設備を提供すると表明した。事実が証明するように、南中国海情勢が緊張するのなら、それを最も推進しているのは米国だ。南中国海の緊張が中国の強行的行動によってもたらされたとするのは、完全に白黒を逆さまにし、是非を混同するものだ。南中国海仲裁案については、中国側がすでに繰り返し指摘しているように、フィリピンが一方的に提起した南中国海仲裁案の本質と目的は南沙(スプラトリー)諸島における中国の領土主権全面的に否定することであり、その背後に指図と政治的操作があるのは明らかだ。このような変質したいわゆる仲裁を中国は、王毅外交部長(外相)が両会記者会見で述べたように当然相手にしない」と述べた。
また「南中国海仲裁案は国連海洋法条約の厳粛さと権威を深刻に損なうものであり、国際法の乱用だ。中国側がいわゆる仲裁を受け入れず、これに参加しないのは国際法を維持し、条約の厳粛さを守るものだ」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年4月21日