中国銀聯(チャイナ・ユニオン・ペイ)が米アップルや韓国サムスンと提携して支付宝(アリペイ)と微信(WeChat)に独占された中国のモバイル決済市場を取り戻そうと企む中、支付宝は19日、国産スマートフォンの華為(ファーウェイ)と提携して「秒速モバイル決済」を投入することを発表した。華為は昨年、1億台を超える携帯電話販売台数を背景に、米アップル、韓国サムスンに次いでその市場シェアを世界3位にまで拡大しているという。北京日報が伝えた。
「秒速モバイル決済」はユーザーと銀行が直接的な関係をもたないという本質的には従来の支付宝と同じ構造だが、最大の特徴は、スマートフォンがロック状態でも、スマートフォンの裏側で指紋認証をすれば、自動的に支払いQRコードが表示され、ネット環境なし、パスワードなしで1秒で決済が完了するというもの。業者側にとって全過程において余計なコストを支払う必要はない。
さらに紹介したい点は、パスワードなしだとアップルペイと銀行の提携の場合決済上限は平均500元(約8500円)だが、支付宝と華為の提携ではこの額は2000元(約3万9千円)まで引き上げられている。つまり、2000元以内であればパスワードなしで、指紋認証だけで買い物ができるということだ。
華為の関係責任者によると、現在支付宝とのモバイル決済分野での協力は先週国内で正式発表されたばかりの新型スマートフォンP9とP9 Plusのみで、「協力の目的はより良い顧客体験のため」としている。
アップルペイ、サムスンペイが大々的に中国市場に参入しており、今回の提携がモバイル決済分野の「三国志」を巻き起こすのではないかとの見方が強まるが、華為側は、「Huawei Payは華為携帯が今後便利で安全なモバイル決済環境を提供していく上での生態系戦略で、P9の秒速モバイル決済製品とHuawei Payとは関連性はない」と説明した。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年4月20日