このシリーズの商品には植物酵素、肝臓エキス、ヒアルロン酸、コラーゲンなど十数種類の商品が含まれており、各商品の希望小売価格は日本円で8万円程度だ。
筆者の調査により、Dr野口シリーズの商品は日本の各大手ドラッグストアや楽天などのネットショップでは関連する情報は見当たらず、さらに、このシリーズの商品を研究開発している機関である野口医学研究所の公式ホームページにも痕跡がないということがわかった。
日本のドラッグストアの栄養補助食品カウンター。商品単価は殆ど4000円以下だ。
注意が必要なのは、野口医学研究所の公式ホームページにある27種類の栄養補助食品の平均価格は日本円で約2千円~4千円で、酵素類などの商品価格は約1800円である。
東京のドラッグストアを数軒取材してみると、店のスタッフは、「店内で販売している野口医学研究所の商品の価格は1つ約3、4千円で、こんなにも高額なDr.野口シリーズは見たことがない」と口をそろえる。
野口医学研究所の回答は、「Dr.野口シリーズの商品は確実に存在するが、これらの商品は野口医学研究所と日本で運営するJTC 免税店(JTC Dutyfreeshop)が共同開発したものである。Dr.野口シリーズで使用している原材料と外装デザインは現在日本の市場で販売されている栄養補助食品とは違うので、比較をすることができない」とし、このシリーズはJTC免税店でのみ販売していると明かした。
JTC免税店新宿店。筆者は観光客として同店に潜入調査しようとしたが、入店した途端に追い出された。
免税店の「カラクリ」のほか、一部の日本の違法商店やネットショップはインターネット広告、微信(WeChat)に公開しているID、微博(ウェイボー)などのプラットフォームを利用して特定商品の価値と特徴を誇大PRしており、あるブランドの商品を「大ヒット商品」としてまつりあげている。実際にこれらの「大ヒット商品」は本国では全く売れておらず、日本人さえ基本的には購入しない商品であることが調査により判明した。