日本が量的緩和政策を実施して以来、日本円の対人民元相場は下がり続け、日本の輸出量は増加し続けている。業界関係者は、「円が値下がりして、今は日本からの輸入を拡大する最適なタイミングだが、中国企業は為替変動リスクにくれぐれも気を付けなければならないし、無計画な投機を行ってはならない」と話す。「国際商報」が伝えた。
中国外国為替取引センターがこのほど発表したデータによると、今年月27日の銀行間外国為替市場の人民元レート基準値は100円=4.991元で、初めて5元を割り込んだ。業界関係者は、「ここから『アベノミクス』がうち出した『円安の為替政策によって輸出を増やす』という構想が一定の効果を上げ始めたことがわかる」としつつ、「関連の輸出入事業を手がける中国企業は相場が変動する中でより細心に、慎重に契約を交わすべきであり、投機をしようという考えをもってはならない」と注意を促す。
▽円安が常態に
中国人民大学重陽金融研究院の高連奎・世界経済プロジェクト主管は、「『アベノミクス』の重要な柱の一つが円安の推進だ。2013年4月以降、日本銀行(中央銀行)は円安を目指して量的緩和政策を実施し、14年10月にも追加緩和を行った。ここからわかることは、円の元に対する大幅な値下がりは予想されたことであり、驚くようなことではないということだ」と話す。
商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院世界経済研究所の梁艶芬所長もこの考えに同意し、「安倍晋三首相の任期中、円安が一種の『常態』になるとみられる。日本政府は円安によって経済発展を喚起したい考えだ。現在の状況をみると、日本政府の措置は日本経済に一定のメリットを与えたことは確かだ。たとえば日本の内閣府が5月20日に発表したデータでは、日本の第1四半期(1-3月)の国内総生産(GDP)の前期比増加率は年率換算で2.4%となり、予想値の1.5%を上回った。昨年第4四半期(10-12月)のGDP増加率確定値は1.1%だった。日本の財務省が5月25日に発表したデータからも、日本の4月の輸出額は前年同月比増加率が8%に達して6兆6千億円に上り、8カ月連続の増加になったことがわかる」と話す。