1日夜、乗客乗員456人を乗せて南京から重慶に向かっていた大型客船「東方之星」が中国湖北省荊州市監利県の長江で転覆した。現場水域は豪雨に見舞われ、水流が激しく、視界が悪いため、捜索・救援活動は困難を極めている。原稿執筆時点で14人が救出され、付近の病院に運び込まれた。
客船はなぜ、短時間で転覆してしまったのだろう?定員をオーバーしていたのだろうか?夜間航行に問題は無かったのだろうか?様々な疑問を解明すべく、現地で取材を行った。新華網が伝えた。
▽本当に竜巻で大型客船が転覆したのか?
長江航務管理局によると、転覆したのは重慶東方輪船公司の保有する客船「東方之星」。6月1日午後9時28分(日本時間午後10時28分)ごろ、湖北省荊州市監利県を流れる長江の「大馬洲水道」を航行中に、突然竜巻に遭い、北岸に向かってあおられ転覆した。
竜巻が本当に客船沈没の原因なのだろうか?国家気象センター気象サービス室の薛建軍シニアエンジニアは「この季節、長江中・下流は雨季に入り、頻繁に竜巻が発生する。『東方之星』が転覆したエリアでは1日夜9時から10時にかけ、確かに最大風速32.7メートル以上の竜巻が発生、1時間の最大雨量は97ミリに達し、通常の短時間の豪雨の3倍となっていた。しかし、レーダーのデータから見ると、当時の地上風の風速は約9.2メートルと決して強くはなく、影響が及ぶ範囲も小さかった。客船が転覆した現場で、大きな災害を引き起こすほどの竜巻が発生するのは5年に1度の割合」と語る。