中国の習近平国家主席は7~12日にカザフスタン、ロシア、ベラルーシを訪問し、ロシア・モスクワでは大祖国戦争勝利70周年記念祝典に出席する。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
今年は世界反ファシズム戦争ならびに中国人民抗日戦争勝利70周年。中露は第2次世界大戦勝利70周年祝賀イベントを共に開催することを早くから決めている。5月9日は、第2次大戦における欧州の重要な戦場であるロシアの大祖国戦争勝利記念日。9月3日は第2次大戦におけるアジアの主戦場である中国の抗日戦争勝利記念日だ。少し前に国連総会は中国などの提出した「第2次大戦勝利70周年記念」決議案を採択。現地時間5月5日には第2次大戦勝利70周年記念特別総会を召集した。これは中露を含む国際社会の圧倒的多数が歴史の銘記と平和の維持に賛同していることを物語っている。平和は中露その他の国々による第2次大戦勝利記念行事のテーマだ。歴史の銘記と平和の維持を再三強調する重要な理由の1つは、世界には歴史を直視しようとしない勢力が常にあるからだ。歴史の悲劇を繰り返しては断じてならない。第2時大戦の勝利の成果を守り、世界平和を維持するのは重要な任務だ。
習主席の大祖国戦争勝利70周年記念祝典への出席で突出しているものが平和だとするなら、カザフスタン、ロシア、ベラルーシ歴訪で突出しているものは発展だ。「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の全面的推進は今年の中国外交の重点であり、習主席の3カ国歴訪も自ずとこの重点から切り離せない。カザフスタンを最初の訪問国に選んだのは決して偶然ではない。1年余り前にまさにカザフスタンで、習主席は「シルクロード経済ベルト」共同建築構想を正式に世界に向けて発表した。その後、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」が中国が提唱する「1ベルト、1ロード」を構成している。これまでに60カ国余りが中国の構想に前向きに応じ、明確に支持しており、「1ベルト、1ロード」共同建設の「ビジョンと行動」もすでに発表された。1年余り後に習主席がカザフスタンを再訪することは、「1ベルト、1ロード」におけるカザフスタンの特殊な地位をはっきりと示すものだ。習主席は再選されたばかりのカザフスタンのナザルバエフ大統領と電話会談した際に「新情勢の下、中国・カザフスタン双方が進取開拓し、『シルクロード経済ベルト』建設の枠内で協力を強化し、二国間関係の発展が新たな成果を一層挙げるよう促すことを希望する』と指摘した。
「シルクロード経済ベルト」におけるロシアの重要な地位は言うまでもない。ベラルーシは欧州の内陸に位置し、中国と欧州および独立国家共同体(CIS)との協力の重要なルート、プラットフォームであり、「シルクロード経済ベルト」の重要な接続国でもあり、両国の協力する中国・ベラルーシ工業パークは「シルクロード経済ベルト」の中心的連結点の1つでもある。